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……あぁ、もう交代の時間ですか？ 声が聞こえて、私は起こされたから。でも感想は目を開けたら吹っ飛んだ。ついでに眠気も、一気に。
まるで折り紙でも破るかのように、テントをビリビリ割いていた。目の前には酷く怒った様子の大きな生き物が現れる。あの尖った牙や鋭い爪に襲いかかられたら一溜りもないだろう。凪沙たちも飛び起きた。
真琴曰く「宇宙怪獣」。日中に探索したときも、偵察に行った襲メンからも。あのような生物らしき報告は一切来ていない。どこにいたんだ。ていうか、どういう状況？
「アイツっ！」
「織音！ みんな！」
才加さんが威嚇のために上空へ三発。その後すぐ、後方を護っていた智恵理とゆいはんさんが駆けつけてくれた。
私たちの寝床は既に無惨なことになっているが逃げようにも四方さえ囲まれている。また、これだけ気が立っていれば動くだけで刺激してしまうかもしれない。
「皆さん撃っては駄目です！」
「………！」／「えっ……A？」
咄嗟にそう叫んだ。護るためでも、威嚇のためでも。それしか方法がないとしても。DES軍は私たち00に平気で銃を向けてきて、撃ってくるけど。私たちは殺傷行為は絶対にNG。……でもそれは人間に対して。
生き物が相手の場合、その意識は薄れる。たとえ事故だとしても仲間が殺されてしまえば、彼らにどんな目に合わされるかわからない。私たちだって同じことをされたら嘆くし、相手を恨むだろう。
言葉の通じない生物と話し合いはできない。じゃあどうする。どうすればこの状況を打開できる？ 止めるのならその分役に立て！ 必死で考える。……けれど、彼らはこちらが強く出てこないのを良いことについに行動に移す。
「「きゃあああっ……！」……モフフ！」
「え！？」
毛むくじゃらの大きな手が友歌と織音の頭上に伸びた。うっとおしいハエでも祓うかのように、二人は倒される。そしたら織音の腕の中にモフフはいない。友歌は驚いた声をあげる。
視線を再度怪獣へ。しかし、見れば…………どうやら彼らの狙いはあの子だったらしい。恐ろしい形相はなく、背中を向けて撤退ムード。他の個体もそうだった。モフフさえ手に入れば、私たちに用はないのか。
「二人とも、怪我はあらへん！？」
「はい。大丈夫です」
「…………でも、モフフが」
肩を落とす彼女を凪沙が心配そうに覗きこむ。だが織音は、何かを覚悟したかのように突然顔を上げた。そして智恵理のライフルを奪い取る。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年10月22日 13時
