*Bonds*16

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潤side


・


すぐかかる，監督のだめ出しの声。

全然，役には入り切れてないんだ。


おかげで，撮影は押してばっか。


周りにも迷惑かけてるんだろうに，

「俺たちは大丈夫だから。気ぃ遣うなって。」

「よし，次がんばろーぜ。」




共演者たちは，優しすぎる。


迷惑かけてるはずなのに，そうやって笑顔で接してくるから，
余計増す，申し訳なさ。


ちゃんとやらなきゃ。



寝る間も惜しんで，毎晩
台本，台本，台本。

「っはぁ……。」



大きなため息とともに，頭の中で，
なんでできないんだよっ…

…そう叫ぶたび，募るイライラ。


そんなイライラをぶつけちゃ駄目なのに………



心配してくれてるメンバーに向かって，ぶつけてしまったんだ。






驚いたように俺を見るリーダー。

少し悲しそうにうつむく相葉ちゃん。

冷たいような目で俺を見つめるニノ。


そして，なにより……



震えながら，怒りを含んだ目で睨んでくる翔くん。






分かってる。

俺が悪いってこと……。


役にも入りきれなくて，
最低で……

そんな自分が嫌だった。



「はぁ…はぁ…っ。」





楽屋を飛び出した俺の目には……

涙が浮かんでいた。

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