*Bonds*16

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翔side


・


ニノ。

うまくやれてるよ。


今のあなたの表情は，演技をする俳優として，
そして，二宮和也という１人の人間として。

ものすごく，清々しかった。



そして，最後のシーン。


「…っもう，俺は，あんたたちの側にはいないっ。」



まるで，その台詞が今のニノの心とかぶっているような気がして。

睨み付けるニノは，きっと『本気』だった。



「カット！以上で撮影は終了です。」

「ありがとうございました。」


パチパチと拍手がわく。



クランクアップは，今日の夜，焼き肉屋であるらしい。

もちろん，俺もついていく。


とりあえず，今日はゆっくり休もうね。ニノ。



緊張したせいか，ちょっとだけ熱くなったように感じるから。


「…ありがとうございました。」



小さく礼をして，外に出ようとするニノのもとに。

「あ，あのっ，二宮さん！」


若い女優さんが，走ってきた。




「…あ。おれ？」

「……あのっ，すみませんでしたっ。」


深く頭を下げたその人は，その後も何度も謝り続ける。




「私の心が弱すぎましたっ。本当に今まですみませんっ。」


無視。

周りにあわせてしちゃうこともある。

けど，それは，彼女の心が弱いせい。



……だけど，


「いいよいいよ。過ぎたことだし。謝ってくれることが，嬉しい。」

そうやって，笑顔を見せるあなたは，
やっぱり，すごいんだね。


ニノ。大丈夫。

もし，キミが重荷に押しつぶされそうになったら。




俺が，側で支えて上げるから。



end

＊

あとから，付け足しのようになってしまい
申し訳ないです。
なつなつわんさまのリクが，『ニノの精神的不安定』で，
重なる部分もあるのかなぁと思い，
そのリクとも合体させていただきました。

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