*Bonds*16

３ ページ21

潤side


・


「げほっ…ワリ…俺へーきだか…っげほ，ごほっ，げぇっほ…！」

喉が乾燥して，一度咳払いをしたら，


「潤くんっ，大丈夫ですかっ！？」

それを引き金に，止まらなくなる咳。




小さな手が，俺の背中に触れた。

「ちょっ…潤くんすごい熱…じゃないですか。」

「へーきだって。体調は悪くねーし…っはぁ，はぁ…。」


……なんでっ。

思い通りに動かない体に，ムシャクシャする。



「なきそーな…顔っ…すんなって。」

「でもっ…。」


そのまま，いつの間にかかけられていた毛布。




「さみ…ぃ…げほっ。」

「潤くん…。とりあえず，休んでてください。」

「っでも…仕事。めーわく…かけらんないっ…。」


俺の体を押さえようとする知念。

だけど，『私情』で迷惑なんてかけられない。


だから…っ…




「だから，俺は……。」


ガチャｯ




「えっ，松潤？？」

「…はぁ，はぁ…っ。」


ああ…なんでだろ。

顔は見えてない。


ただ，翔くんの声が聞こえてきて。




一気に，体の力が抜ける感覚を覚える。


「はぁっ……げほ…。」



意識が，

プツリと，途絶えた……………。

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