Ray of hope.*希望の光*

１１：疑い ページ11

・


あの日からというもの，スタッフさんの陰口はどんどん増え…。

そして今。

おいらは鞄の中に入っていた紙を持ったまま固まっていた。


『結構どん底も楽しいだろ？

　 たくさん楽しめよ。』


……あいつだ。いつもの。

すぐに分かって，手が震え始める。

「……リーダー？」

名前を呼ばれて顔を上げた。


視線の先には相葉ちゃん。

「どうしたの？怖い顔して。」


不思議そうな顔をする相葉ちゃんを見てたら最低な考えが頭をよぎる。

おいらの家を知ってて…。それでこんなこと今の状況で，できるのは………。

相葉ちゃん…だけ…………？

「ねえ，リーダー！」

「ん，ぁ…，ご，ごめん。」


「ねえ。なんでそんな悲しい顔してんの。なんかあったの？」

「……相葉ちゃんさ。俺のこと嫌いだったりするの？」

「……へ？」


素っ頓狂な声を上げる相葉ちゃん。

無性にイライラした。

「……っ！相葉ちゃんって気楽でいいよね。いっつも笑ってるし。おいらはね…。苦しんで……。」

慌てて口を押さえた。

相葉ちゃんが目を見開いて俺のことを見てる。


「苦しんでる……って。何かあった？」

「……ない……っ。」


おいらは駆け出す。

廊下を走りながら，ぶわっと涙が溢れた。

ただの八つ当たり。怖くなって相葉ちゃんに全部八つ当たりしただけ。


おいらって…。最低な奴だ＿＿＿。

１２：呼ばれて→←１０：変わっていく

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す