【○○○】羅刹失格少女 Ⅱ (ページ40)

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第八十話「本気」ページ40

斉藤「よくわかってるな・・・そうだ、言いたいことはそれだ。

お前が俺とAの間に割り込んできたとき、明らかにアイツはお前に尋常じゃなく警戒していた。

・・・・俺がいない間に、何をした？」

俺がその獣のような目ににらみながら言うと、

総司はおかしそうに笑う。

総司「何をしたって、君には関係ないことなんじゃないの？」

斉藤「アイツは俺にとって大切な存在だ。

・・・・汚したら許しはしない。」

総司は「こわいねぇ」と、軽く俺を挑発するように言った。

その瞳は何を考えているかわからない。

・・・羅刹になったからだろうか

総司「確かに、警戒されるようなことはしたよ。

でも、それも必要なことだったからしたまで。

それに、いつまでもこの関係でいるつもりもないし。」

斉藤「・・・総司、お前はアイツのなんだ？」

総司「さぁ？僕も聞きたいくらいだけど。」

でもね、と総司は言葉を続ける。

総司「彼女が僕の目の前からいなくなられては困る。

彼女の存在が僕の中では大きい。彼女が消えたら僕は狂っちゃうんじゃないかと思うほど、ね。」

斉藤「まさか、アイツのために羅刹になったのか・・・？」

俺は目を見開く。

てっきり千鶴を守るためかと思えば、彼のその瞳はAしか見えていないことに気づいた。

しかし、総司は横に首を振る。

総司「僕の為だよ。・・・彼女を守るためじゃなく、僕が彼女を引き留めたくて羅刹になった」

それはいわば、Aの為と言っているようなもので。

俺はそうか、ということしかできない。

斉藤「お前もAに変えられた一人ということか」

沖田「一君と一緒にしないでくれない？僕は自分のことを臆病者だって言ってびーびーないた覚えはないし。」

斉藤「なっ・・」

沖田「それに、僕は本気だから。

たとえ誰が奪いに来ても、必ず僕の元に彼女を奪い返す。

それが一君、君でも」

昼間に起きていて、こんなに話して辛いのだろう。

額に汗の粒を浮かべながら、でも彼は真剣に言い切った。

それに俺は応えるべく、

斉藤「こちらも負けるわけにはいかない。」

右刺しの刀に触れながら、彼の目を見て伝えた。