第七十三話「優しさ」 ページ33
沖田「・・泣かないで」
今まで聞いたことのないような優しい声で言う彼は、
その指で私の顔を撫でる。
A「泣いていない。」
沖田「後悔、してるの？」
沖田君は斉藤君が言ったことと同じようなことを言う。
私に、後悔しているのかと。
私は、前と同じように首を振った。
A「していない。・・・・ただ、独りに戻ったのだと、実感しただけ」
沖田「・・・独り、か」
ぽつりと彼は言葉をこぼした。
沖田「君は独りじゃないよ。
僕たちが・・・僕がいるから」
その言葉に、なんとなく重いものを感じた。
新選組は私のことを信用しているのか、いざとなれば斬ってしまうのではないかという恐ろしさが私を襲う。
A「・・・沖田君、君は優しいね。」
でも、私はやっぱり、独りなんだと思う。
この姿になったその時から。
沖田「優しくなんてないよ。僕は、君がさっき泣いているのを見て、嬉しいと思ってしまったから」
彼は私の顔をしっかりと、離さないというように見る。
私は、その視線がなんだかこそばゆくて、彼の視線から逃げるように顔をそむける。
A「嘘。・・だって沖田君はあの時、私を助けるために羅刹になった」
沖田「・・・」
A「誰かを助けるために刀を取った君は、やっぱり、誰よりも優しい。
私も、風間も・・・誰も、誰かを助けるために自分を犠牲になんてできない
誰かを傷つけるためにしか、刀を握ることができない。」
私の視線の先には、血に塗れた自分の腕があって。
この腕が忌々しくも思ってしまう。
A「その力で、千鶴を守ってほしい。」
私は、彼の目をようやく見た。
沖田君の若草色の目は未だ私を捉えていて、やっぱり視線があってしまうのはなんだかこそばゆい感覚だ。
沖田「千鶴ちゃんを？」
ようやく彼が言葉を発する。
A「貴方なら、千鶴を守れる。」
私が肯定すると、
彼はなぜか首を左右に振った。
沖田「違う、・・僕が、守りたいものは・・・」
そうぼそっと言って。
それからは、なにがおきたかよく、わからなかった。
急に言葉をきったかと思えば、
彼は真剣なまなざしで私を見据えてきて。
A「・・・え？」
私が小さく言葉を発したとき、彼の顔はもう、触れる寸前で。
待って、とわけもわからなくとりあえず静止の言葉を言おうとしたとき、
A「・・・んっ」
彼の冷たい唇は私の唇と重なっていた。
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雨。 - あの、近藤さんって千鶴のこと、千鶴ちゃんじゃなくて雪村くんって呼んでた気がするんですけど……。間違えてたらすいません。 (2018年10月8日 21時) (
レス) id: 007f5cd962 (このIDを非表示/違反報告)
ふてんにぶおんぷ(プロフ) - すすすすうっっっっごく面白いです！文才ありありですね！文章の世界に引き込まれちゃいます！ (2018年3月27日 0時) (レス) id: 7ca422baae (このIDを非表示/違反報告)
黒猫白夜(プロフ) - 鎖月零さん» wwwwそうですね、仲間がいれば怖いものはないんでwwww (2015年3月8日 17時) (レス) id: c0b1c989b7 (このIDを非表示/違反報告)
鎖月零(プロフ) - 黒猫白夜さん» はい！是非ｗｗｗ成績がだんだん降下しても気にしない心を持つ仲になりましょｗｗ (2015年3月8日 16時) (レス) id: be1d50e619 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫白夜(プロフ) - 鎖月零さん» wwww同じですねwwwwもし、鎖月零さんが3DS買ったら仲良くしましょーねwwww (2015年3月7日 21時) (レス) id: c0b1c989b7 (このIDを非表示/違反報告)
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