第四十一話「恋煩い」 ページ1
強く、強く私を離さないその腕は、かすかに震えていて。
人のぬくもりに慣れていない私は、抱きしめかえすこともできないまま、なされるがままに、
その腕とぬくもりを受け入れた。
斉藤「・・・すまない」
私の首の後ろで、ぽつりと彼はつぶやく。
A「・・・泣いても、いいんだよ」
私は、返事にもなっていない言葉を返した。
斉藤君は私がそういっても、泣く素振りなんて全く見せずに
ただつらそうに、頼りない肩で私をだきしめるだけだった。
・
・
そして、そのぬくもりがすっと、消えた後
その夜は明ける。
・
千鶴「おはようございます、Aさん！」
元気よく私の部屋に入ってくる千鶴は、私の顔色を窺うと、
笑顔を向けて「よかった」と安心したように言った。
私はというと、昨日までは蒼白だった顔色が、少し赤く火照っていて。
千鶴にはそれが元気のしるしだとでも思ったのかもしれないが
私にはその火照りの原因は謎だった。
平助「よぉー！元気そうだな、A」
千鶴の後に活発な声とともに入ってきたのは藤堂平助。
彼が今日の見張り役だろうか。
平助「なぁなぁ、A−、千鶴ー」
千鶴「なあに？」
A「？」
突然話を切り出した平助に、私達は疑問を抱く。
藤堂くんはというと、ちょっと難しい顔をしてから
平助「今日の朝さー、一君に会ったんだけどさー」
急に斉藤君のことについて語りだした。
A「・・っ」
思わず声を上げてしまいそうになり、必至にこらえる。
千鶴「えっ、斉藤さんがどうかしたのっ？」
平助「いやー、それがさー」
そういって、一間おいて
平助「なんか、恋煩いっぽいんだよっ」
ちょっと声を潜めて、まるで秘密会議をしているかのように私達に言った。
私はというと、ぽかんと口を開けてしまい
千鶴はというと顔を真っ赤にして声をあげるのをこらえている。
千鶴「こ、ここここｋ、恋煩い・・っ！？あの、冷血無表情の斉藤さんがっ！？」
平助「千鶴っ声でかいって！」
A「こいわずらいってなに」
千鶴・平助「「ええっ！！？？」」
二人とも驚いた顔で私を凝視する。
そして、二人は私にずいずいと近づいてきて・・・
「こいわずらい」について教えてもらった。
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雨。 - あの、近藤さんって千鶴のこと、千鶴ちゃんじゃなくて雪村くんって呼んでた気がするんですけど……。間違えてたらすいません。 (2018年10月8日 21時) (
レス) id: 007f5cd962 (このIDを非表示/違反報告)
ふてんにぶおんぷ(プロフ) - すすすすうっっっっごく面白いです！文才ありありですね！文章の世界に引き込まれちゃいます！ (2018年3月27日 0時) (レス) id: 7ca422baae (このIDを非表示/違反報告)
黒猫白夜(プロフ) - 鎖月零さん» wwwwそうですね、仲間がいれば怖いものはないんでwwww (2015年3月8日 17時) (レス) id: c0b1c989b7 (このIDを非表示/違反報告)
鎖月零(プロフ) - 黒猫白夜さん» はい！是非ｗｗｗ成績がだんだん降下しても気にしない心を持つ仲になりましょｗｗ (2015年3月8日 16時) (レス) id: be1d50e619 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫白夜(プロフ) - 鎖月零さん» wwww同じですねwwwwもし、鎖月零さんが3DS買ったら仲良くしましょーねwwww (2015年3月7日 21時) (レス) id: c0b1c989b7 (このIDを非表示/違反報告)
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