第三十九話「左腕」 ページ41
なぜ・・・といった彼の口調は戸惑いにあふれていた。
A「決めたことだから。・・・私は今まで目的のために生きてきた。
間違ったことかもしれないけれど、でも、これだけは誰にも止めてほしくないことだったから」
斉藤「・・・」
A「風間から離れるのは、怖かった。・・・離れた結果、何もいいことは起こっていないと思う。もしかしたら、離れるという選択は間違ってたのかもしれない」
斉藤「あんたは、その選択をして後悔はしていないのか」
A「うん、していない。・・・今まで風間の言いなりに動いてきたから、初めて自分で決断したけど、間違ってても、後悔はしていない。」
起きてからこんなにしゃべったのは初めてだった。
新選組の人は私を受け入れるとはいってもやはり、しゃべったりはしてくれなかったし
私を見る目も優しい目の人は少なかったから。
斉藤くんはうつむいていた。
顔はやはり髪で見えないのだけれど、なんだか泣きそうな子供に見えた。
A「・・・斉藤君は、何かが怖いの？」
つい、そんな言葉がでてしまう。
斉藤「・・・っ」
A「・・・私には話せないことかもしれない、でも、怖いなら、何かにおびえているのなら、話してほしい。」
きっと、気が楽になる。・・・敵かもしれない私に言うことなどないのはわかっているけれど、誰かが私に話をしてくれているこの状況がとても心地よくてつい、そういってしまった。
斉藤「・・・あぁ、俺は怖いのかもしれないな。」
ついに、彼がぽつりと話しだす。
やっとあげた顔、やっとみえたその瞳は
怯えと戸惑いがうつされていた。
私は彼を見てふと土方の言っていたことを思い出した。
『新選組はもうすぐ左腕をなくす』
という言葉だ。
きっと、その左腕というのは斉藤君のことだったのだろう。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 370人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鎖月零(プロフ) - 柚翔さん» 返信遅れてすみません！！コメントありがとうございます(´｡･v･｡｀)更新頑張ります！ (2015年7月8日 12時) (
レス) id: bf34af8d05 (このIDを非表示/違反報告)
柚翔 - この作品おもしろいですね！ (2015年5月6日 22時) (レス) id: b3c4fb2e98 (このIDを非表示/違反報告)
鎖月零(プロフ) - 沖田一さん» ありがとうございます！一君、これからばんばん活躍していくので、是非ヽ(=´▽`=)ﾉこれからも更新頑張ります！ (2015年3月14日 23時) (レス) id: be1d50e619 (このIDを非表示/違反報告)
沖田一 - キャァァァー、斎藤さん、可愛すぎる！(・∀<♭) 応援してます！頑張ってください！ \(*´∀`*)/ (2015年3月12日 22時) (レス) id: 3c29be49e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
