第三十六話「土方」 ページ38
副長のご立腹により、組長の面々は追い出されるようにして部屋からでていってしまった。
残されたのは私と、土方
彼は唇を強く噛んで、悔しそうに眉間に皺をよせていた。
A「・・・」
土方「・・・あいつらは、わかってねぇ」
その怒りの気持ちが、私には痛いほど伝わってくる。
私はのうのうと生きていていい者ではない。ましてや、、新選組の中でなんて。
元々の目的が千鶴の奪還だったことから、私が薩摩藩に身を寄せていたこと
白のこの髪だって、人間かどうか疑うものであり
人並み外れた戦闘力だってある。
こんな敵か味方かわからない、否、敵だと思われる人間をいかしておけるはずがないのだ。
薩摩藩、もしくは鬼一味のスパイだった場合、命取りになるのだ。
A「・・・土方、あなたは、正しい」
土方「・・・」
A「誰もがあなたのことを、否定・・・しても、その結論は、正しいと思う。」
土方「・・・」
・
・
A「私を、殺すべき」
・
数秒の間があった。
苦しそうに顔をゆがめる土方からは悲しみと後悔の心が見られた。
そして、ようやく、彼は刀を握る。
A「・・・」
土方「・・・わかってんじゃねぇか、自分がどれほど不利な状況にいるかなんて」
A「・・・すべては負けた私が悪いから」
土方「あぁ、そうだ。その結論で間違ってねぇよ。・・・お前は、立派な武士だった」
土方はそれだけ言うと、その刀を私の首元にむかって振り下ろす。
私は目を閉じることもなく、彼を見つめていた。
そしてその刃は
私の首元へと刺さらずに、止まった。止まってしまった。
A「・・・・」
土方「どうしてって顔だな・・・別に、あいつらに言われたからじゃねぇ」
A「・・・殺すなら、今しかないはず」
土方「・・・そうだな、でもな、お前は・・・お前のその目は、信じていいんじゃねぇかって、思っちまったんだよ」
紫がかった彼の目が、揺れ動いた。
土方「これから新選組は一本の左の刀を一時的に失う。
その時、此処を守ってやれるのは今はいねぇんだ」
A「・・・まさか」
土方「お前を、新選組に置く。・・・綱道さんのことも、俺らが果たしてやるよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 370人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鎖月零(プロフ) - 柚翔さん» 返信遅れてすみません！！コメントありがとうございます(´｡･v･｡｀)更新頑張ります！ (2015年7月8日 12時) (
レス) id: bf34af8d05 (このIDを非表示/違反報告)
柚翔 - この作品おもしろいですね！ (2015年5月6日 22時) (レス) id: b3c4fb2e98 (このIDを非表示/違反報告)
鎖月零(プロフ) - 沖田一さん» ありがとうございます！一君、これからばんばん活躍していくので、是非ヽ(=´▽`=)ﾉこれからも更新頑張ります！ (2015年3月14日 23時) (レス) id: be1d50e619 (このIDを非表示/違反報告)
沖田一 - キャァァァー、斎藤さん、可愛すぎる！(・∀<♭) 応援してます！頑張ってください！ \(*´∀`*)/ (2015年3月12日 22時) (レス) id: 3c29be49e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
