第三十三話「起床」 ページ35
ASide〜
暗い、暗い暗闇にただ一人
赤と、黒と、汚れた白の色がちらちらと映っては目まいで一気に真っ暗になる。
こんな気分になったのは昔以来
小さいころに、羅刹の第一実験体とされ、失敗に終わり
しまいに綱道はその場にいなく、両親はあっけなく殺され・・・
そんな絶望との狭間だったとき以来の感情だった。
あぁ、私は今日も独り
・
・
・
A「・・・ん・・・・」
その暗闇から光がふと入り込み、私はまた現実へと戻ってきた。
瞼は重く、体もかなり熱い。
でも、自分自身は寒さを感じていて、体は自由がきかないのがなんとなくわかる。
ふと、天井を見ると、見たことのない木の模様だった。
A「・・・此処、は・・・」
ぼんやりとした頭で記憶をリプレイさせる。
私は雪村綱道と戦って、なんとか逃げ切れて、それで・・・
そこまでで記憶が途切れ、自分は室内に入った覚えなど全くない。
目を泳がせ、動かないからだのかわりに目で探索する。
すると、その時
見かけたことのある赤髪がふと、私の視界へ入ってきた。
原田「起きたのか！あー、よかった」
A「・・・はら、だ・・・しんせんぐみ・・・？」
かろうじて出た言葉はそれだけで、普通に話そうとしても、この体は言うことをきかなかった。
沖田「無理して喋んない方がいいんじゃない？傷口が開くよ」
A「・・・あな、たは・・・？」
若草色の目がちょっと細められる。
沖田「話聞かない子だねー。ま、いいか。僕の名前はね、教えない」
にっこりとした笑顔で彼は笑ってそういうので、なんとなく腹がたった。
原田「お前、Aだよな。」
A「・・・うん」
彼は言いたいことがあるように視界を私に向ける。
私も此処はどこか、とか尋ねたいことはたくさんあるのだけど、言葉にならずに空気中に消えていく。
原田「お前・・・逃げてきたのか」
彼がそういうと同時に、この部屋の襖があいた。
「起きたのか」
そこにいたのは以前、天王山へ行く途中であった、土方歳三であった。
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鎖月零(プロフ) - 柚翔さん» 返信遅れてすみません！！コメントありがとうございます(´｡･v･｡｀)更新頑張ります！ (2015年7月8日 12時) (
レス) id: bf34af8d05 (このIDを非表示/違反報告)
柚翔 - この作品おもしろいですね！ (2015年5月6日 22時) (レス) id: b3c4fb2e98 (このIDを非表示/違反報告)
鎖月零(プロフ) - 沖田一さん» ありがとうございます！一君、これからばんばん活躍していくので、是非ヽ(=´▽`=)ﾉこれからも更新頑張ります！ (2015年3月14日 23時) (レス) id: be1d50e619 (このIDを非表示/違反報告)
沖田一 - キャァァァー、斎藤さん、可愛すぎる！(・∀<♭) 応援してます！頑張ってください！ \(*´∀`*)/ (2015年3月12日 22時) (レス) id: 3c29be49e6 (このIDを非表示/違反報告)
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