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『……ちょ、っと恥ずかしいんですけど……』
扉から顔だけ出したAちゃんが、小さく呟く。
やがて、意を決したようにAちゃんが談話室の中に入ってきた。
……やば。色気が凄い。
Aちゃんの服装は、小悪魔をモチーフにしているのか全体的に黒と赤で統一されている。スカートは勿論ミニで、フリルがたくさん使われている。
あと、悪魔の耳と尻尾。それと、胸元が大きく開いたシャツ。胸元の部分には、リボンが通されてはいるがそれでも肌色が見えるのには変わらない。
そして何より。……網タイツを履いているのだ、Aちゃんが。ヒールの高い靴も合わせて、色気が倍増中である。
さっきのシスターとは真逆の衣装だが、どちらもやばい。
『恥ずかし、いから……これくらいで、戻るね』
真っ赤になりながらそう告げて、Aちゃんは談話室を後にした。
談話室中に息を吐く音が響く。どうやら皆、無意識のうちに呼吸を止めていたようだ。
私も心臓が痛いほど鳴っている。Aちゃんが可愛くて禿げそう。
そんなことを考えていると、先ほどよりもさらに弱々しく扉がノックされた。
『ぁ、の……。恥ずかし、から……数秒だけ、見せますね』
そう小さな声と共に、扉が開く。
そこにあった光景に誰かは息を呑んで、誰かは鼻血を出して。誰かは倒れた。
Aちゃんは本当に数秒したら、扉をパタンと閉めてとたとたと別室に戻ってしまった。
「……え、今の幻覚?」
「本物」
「まじかよ。……えっろ」
口々にそこかしこで言葉が漏れる。
……取り敢えず、整理しよう。
さっきのAちゃんの格好は、物凄く……やばいものだった。
まず、衣装がやばかった。ほぼほぼ下着のような衣装にハート型の穴がついていて、そこから谷間が見える感じ。
下も、割と際どいところにハートの穴が開いていて……て、思い出すのはやめよう。死ぬ、私が。
頭をぶんぶんと振って、先ほどのAちゃんの映像を追い出していると。
扉のノック音。皆が、一瞬だけ身構えた。……まぁ、さっきみたいなのだと心臓が持たないからね。
『……入りますね』
照れたような声でなく、普通の声だったので皆がそっと息を吐く。
入ってきたのは、ゴスロリ衣装に身を包んだAちゃんだった。それにプラスで、猫耳のようなものも付いている。
衣装はドレスと呼ぶに相応しいもので、レースにフリル。リボンが所狭しと付けられていた。
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さ - 夢主に恋愛感情持ってるやついるの草ァ…カリムはともかくレオナとか絶対分かっててあげてるだろ。 (2022年6月6日 23時) (レス) @page17 id: 745f3a4c41 (このIDを非表示/違反報告)
麗亜 - 犬って女の子も、good booyって言うらしいです。 (2022年1月10日 17時) (レス) @page18 id: 436e3086c5 (このIDを非表示/違反報告)
桜澤(プロフ) - 誕生日会……最高すぎません?……素晴らしすぎて終始微笑んでるんですけど。ほかの作品も順に見てるんですが、主様。天才脳をお持ちでは無いですか?最高楽しい幸せ癒しです! (2020年11月28日 12時) (レス) id: 20b9b01cf5 (このIDを非表示/違反報告)
零夜(プロフ) - 鬱アニメ、某魔法少女!?!?まどマギですか!?!?!(覚えてない) (2020年11月27日 0時) (レス) id: be63cd896a (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - チーズ鍋さん» ありがとうございます!! (2020年11月22日 23時) (レス) id: adf0bec428 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チーズ鍋 | 作成日時:2020年10月23日 0時