・ ページ13
「覚えてるに決まってるでしょ」
私の涙を拭って、イデアさんが目を細める。当然だと言わんばかりの言い方に、また目元が熱くなった。
そんな私の頭を優しく撫で、オルトくんは微笑む。
二人は、私を真っ直ぐ見て声を揃えた。
「誕生日おめでとう」
『……ありがとう、ございます』
今日のことも。それから、あの日のことも。それを込めて、深く頭を下げる。
イデアさんは私の頭をぽんぽんと叩いて、オルトくんはもう一度「おめでとう!」と笑って。下がっていった。
入れ替わりに、ポムフィオーレの三人が前へと歩いてくる。
美しい所作で歩いてきた三人は、私にプレゼントを差し出した。
ルークさんは、可愛い入れ物の……何だろ。クリームかな。
「ふふっ、これはハンドクリームさ。君の美しい手を、更に美しくさせておくれ」
そう私の手にハンドクリームを握らせ、ルークさんはぱちんとウインクをした。その様になった動きに、少しだけどきっとしたのは内緒。
ルークさんは私の手を最後に一度だけ握り、恭しく頭を下げた。
「君が生まれた奇跡に感謝するよ」
『ふふっ、ありがとうございます』
大袈裟な言い方に、少しだけ笑いが漏れた。
ルークさんが下がると同時に、エペルくんが前にやってくる。その手には、小さく揺れるイヤリングが。
この間の可愛いものとは違い、黒くて少し大人っぽいもの。
「僕からのプレゼントは、これ。つけてくれると、嬉しい……かな」
『エペルくん、ありがとう。……ちょっと待って』
照れたように笑うエペルくんにそう返し、私はイヤリングを手に取った。
既に付けていたイヤリングを外して、無くさないようにポケットに仕舞う。そこに、貰ったイヤリングをつけて。
ネックレスと合わさって、かなり大人っぽい雰囲気になったのでは。そうエペルくんを見ると、頰を染めて私を見つめていた。
『エペルくん、綺麗?』
「……うん、すっごく綺麗」
『ふふっ、だよね。ありがとう』
イヤリングを摘んで首を傾げると、エペルくんは小さく首を縦に動かす。
微笑んでお礼を言うと、エペルくんは「うん」と笑った。
「……アタシからはこれよ。誕生日おめでとう、A」
『わぁ、こんなに沢山良いんですか?……ありがとうございます』
エペルくんと入れ替わりにヴィルさんが渡してくれたのは、沢山の入浴剤。
この間、興味があると言ったのを覚えてくれていたのだろうか。
3385人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さ - 夢主に恋愛感情持ってるやついるの草ァ…カリムはともかくレオナとか絶対分かっててあげてるだろ。 (2022年6月6日 23時) (レス) @page17 id: 745f3a4c41 (このIDを非表示/違反報告)
麗亜 - 犬って女の子も、good booyって言うらしいです。 (2022年1月10日 17時) (レス) @page18 id: 436e3086c5 (このIDを非表示/違反報告)
桜澤(プロフ) - 誕生日会……最高すぎません?……素晴らしすぎて終始微笑んでるんですけど。ほかの作品も順に見てるんですが、主様。天才脳をお持ちでは無いですか?最高楽しい幸せ癒しです! (2020年11月28日 12時) (レス) id: 20b9b01cf5 (このIDを非表示/違反報告)
零夜(プロフ) - 鬱アニメ、某魔法少女!?!?まどマギですか!?!?!(覚えてない) (2020年11月27日 0時) (レス) id: be63cd896a (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - チーズ鍋さん» ありがとうございます!! (2020年11月22日 23時) (レス) id: adf0bec428 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:チーズ鍋 | 作成日時:2020年10月23日 0時