10【理想の空想】 ページ10
Sou side
「羨ましい?」そう、僕をひじでつつくうらたさんに涙が見えないように下を向き、軽く、遠慮がちに首を縦に振り、Yesをあらわしてみせた。
するとそれに気づいた人間は僕に近寄ってきた。反射的に手を出して闘う体制をとった。しかし、その手は人間に捕まれ、優しい瞳に吸い込まれたかのように抱きしめられた。
『Souさん、』
S「や、やめろっ、………」
『人間は醜いです。でも、私は吸血鬼が大好きなんです。』
S「だ、だからなにっ、」
『信じてください。皆さんが望む幸せを、現実にしてみせます。』
S「……僕は人間に助けられたっ、……貴方のような優しい瞳を持つ人間にっ、…恨みなんてないんだっ……」
『優しくなんてありません。私も人間。醜いところも多々ありますよ。』
S「信じてみても、いいですか、…?」
僕が警戒しながらそう聞けばやはり、優しく笑って
『__我ら家系は吸血鬼と人間を結ぶ窓にならなければいけない。どれだけ差があろうとも、空想を現実とし、吸血鬼に聖を見せよ__』
みんなが目を見張った。それは吸血鬼にも教えられたもので、それを語る人間はきっと兆しになるであろう御方。簡単にはころさせるな、そこまで言われた。
全員が目を見張るなか、さかたんだけがむっ、と頬をふくらませ、かまってくださいアピールをしだしたので、次第に視線はそっちに集まっていく。
う「なんだよ、坂田。」
さ「お、俺も、ぎゅってしてもらいたいねんっ!!」
う「はぁ?」
さ「だ、だって……」
「俺、人間と関われへんかったから」、そう悲しそうに笑うさかたんを見て本当なんだなぁ、と思う。みかねたのか、Aは笑った。
『急にどうしたんですか?』
さ「や、やからっ、…」
『はい?』
る「A、それ絶対に楽しんどるやろ〜!」
う「あんまやんなよー、坂田拗ねるから。」
さ「う、うらさんはうるさいねん!」
う「おー、悪かった、悪かった。」
『うらたさん、爆笑し過ぎですよそれ!』
さ「な、なぁ…?」
『あ、はい?』
さ「温もりがほしいんやっ!吸血鬼は体温が冷たいから、暖かい人間に!!」
『……しかたないですね、』
さ「ほんまに!?」
『ふふ、』
そ「笑ったー」
天「そりゃぁ、笑いますよ!!」
笑いが増えていくなか、理想の空想が理想の現実へと変わっていくのを感じた。
96人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2022年5月25日 17時) (レス) @page23 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
玲央(プロフ) - きったあああああああああ 一推しグルきったあああああああああ (2019年12月31日 15時) (レス) id: e6e1ae29a5 (このIDを非表示/違反報告)
恋花レンカ - 応援してます!すとぷりメンバーかな?続きが楽しみです! (2019年12月18日 11時) (レス) id: 1d9528a5e6 (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - 雛さん» わああ!!コメントありがとうございます!!更新頑張ります!! (2019年12月14日 8時) (レス) id: 2bdc6ab8ba (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - 更新楽しみにしています!!!もうこの作品好きすぎて発狂しそうです!!!(?) (2019年12月11日 6時) (レス) id: 5862d10b26 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なの | 作成日時:2018年7月2日 19時