9【家族の詔】 ページ9
うらたぬきside
「人間と吸血鬼は幸せになどなれるわけがないのだ。関わってはいけない相手は人間。ただの家畜でしかないのだから吸血鬼に人間ごときが逆らっていい相手ではない。」
誰だろうか。物心ついたころ、俺はもう安全地帯に入っていた。人間とは一切関わりもなく、日々平穏と過ごしていた俺はよく言い聞かされていた。人間は危険だ、と言えば人間は家畜でしかない、と言ったり人間が人外に勝てるわけがないと矛盾して何がなんだからわからなかった。
実際、人間になどあったことがない俺はうんともすんとも言わなかった。なぜそこまで人間を嫌うのか、危険だと拒絶するのか、それを知ったのは今から150年くらい前だろう。
坂田達と出会う前、違う仲間とつるんでいた。しかし、急に数が減った。ふいに他の奴等も消えていった。気にならないわけがなく、魔法を使って調べた。相手の心を読み解く魔法、『フィンド』。
記憶の破片(かけら)を集めてピースを填めていく。ピースを填めるごとにどんどん露になる恐ろしい過去。集めるだけでわかった。容易なことじゃないと悟った。
最後のピースが填まったとき、見えたのは…………
__吸血鬼の命、八重歯を剥ぎとる人間__
吸血鬼の八重歯は価値が高い。割れないし、特殊的で心臓にはめこめば一生生きていける。八重歯を取られた吸血鬼はそこで終わりを告げる。だから吸血鬼の命、そう言われている。
絶望的な顔をして歩く俺にある男が「だから人間はくだらないんだ」そう言った。ろくに関わりもせず、えさとしてみてきた。
でも、目の前にいる人間だけは違った。人外の俺らに笑顔を向ける。固い掟のようなものが揺らされた。明らかに目の前の人間のせいだ。
『うらたさん……？』
う「ん、……なに？」
『いえ、ぼーっとしてたので。』
う「ちょっとな。」
さ「怪しいぞ、うらさんー！！」
う「何がだよ！！」
ま「ね、ねぇ、、A？」
『エターナル……永遠。』
ま「っ、え？」
『……まふさん、よく聞いてください。』
ま「う、うんっ、」
『貴方は一生私に償ってください。』
ま「っ、…………」
『家族という関係でいる、それを償いとして。』
ま「………え、？家族でいればいいの……？」
『はいっ、そうです。だから、エターナルを解くことを許します』
ま「っえええ！？本当に！？………やったぁぁぁぁ！！」
う「やるなぁ、羨ましい？Sou？」
エターナルは被害者が許せば解かれるのだ。隣でやましそうに見るSouは涙ぐんだ瞳を附せた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 96人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2022年5月25日 17時) (
レス) @page23 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
玲央(プロフ) - きったあああああああああ 一推しグルきったあああああああああ (2019年12月31日 15時) (レス) id: e6e1ae29a5 (このIDを非表示/違反報告)
恋花ﾚﾝｶ - 応援してます!すとぷりメンバーかな？続きが楽しみです! (2019年12月18日 11時) (レス) id: 1d9528a5e6 (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - 雛さん» わああ!!コメントありがとうございます!!更新頑張ります!! (2019年12月14日 8時) (レス) id: 2bdc6ab8ba (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - 更新楽しみにしています！！！もうこの作品好きすぎて発狂しそうです！！！（？） (2019年12月11日 6時) (レス) id: 5862d10b26 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なの | 作成日時：2018年7月2日 19時
