元カノは丸腰じゃない。 ページ7
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Aは太宰と別れてから前職(?)のポートマフィアを訪れていた。
正面突破は流石に首が飛ぶ、と思ったのか裏ルートからマフィア内に入った。
それはそれで見つかったら首は飛ぶが、Aはスリルを求める女であるため関係なかった。
「ヤバい、酒が飲みたい」
エレヴェーターが最上階に行くまで横浜の風景を見ていたが禁断症状が出てきてしまった。
手が震える、鈍器で殴られているような感覚、兎に角Aは酒が飲みたかった。
「後で中原に酒貰うか」
その声と同時にチーンと音がしてエレヴェーターが止まる。
Aはすっかり忘れていた、首領室の前には黒服の見張りがいる事を。
「廊下がなっがいぃ〜、一歩で行けたら、なんって楽だろう〜」
長い廊下を歩きながら『廊下が長い』という歌を歌うA。
勿論、廊下は響くので直ぐに見張りに見つかった。
相当の阿保である。
「侵入者か!?」
黒服の一人が腰に掛けていた拳銃をAに向けた。
「廊下が長いぜ、この野郎、いぇあ、中原の異能があったら、ひとっ跳びでいけるZE☆」
だが、その拳銃にAは気付いていない。
眼を閉じて、エアギターをしながら、ラップを云い、廊下を歩くA。
撃って良いぞ、黒服達。誰もがそう思った。
「いぇいいぇいいぇい、…いぇい?」
やっとAは自分が死の崖に立っている事を理解した。
「あ〜、ちょっと待って、」
Aは右手を黒服に向け、自身の腰を触る。
「ヤバ、拳銃
腰に拳銃を常備しているAであったがアメリカから日本に帰る途中、誰かに掏られたらしい。
丸腰、Aの死が確定した。
「あーっはっはっはっはっは!!拳銃がないなら作ればいいじゃない!」
だが、Aは或る意味天才だった。
「はぁ?」
黒服は『此奴、頭イってん』みたいな表情でAを見る。
だが、それも一瞬。
Aは自身の履いている3cmくらいのヒールが付いたパンプスを黒服の顔面に目掛けて投げた。
しかも、二発とも黒服達の顔面にクリティカルヒット。
「いぇいいぇいいぇい、パンプスぅ〜、いぇーい!!」
倒れる黒服の横を何もなかったかのように通り過ぎるAは『パンプスいぇい』という曲を歌いながら首領室の扉をノックした。
コンコンコンッ
「森さーん、死者の復活でーす!」
その発言は少し語弊がある。
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シュピーゲルアイ - 大好きです。更新待ってます。 (4月9日 21時) (レス) @page37 id: af33028691 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ - 好きすぎます (2月20日 3時) (レス) @page37 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
米粉めこ - 最高です!面白すぎて腹筋こわれましたwww (12月10日 18時) (レス) @page36 id: 29094487c6 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - こういうお話好きです!続き待ってます!!! (2022年9月18日 16時) (レス) id: f16cf667ce (このIDを非表示/違反報告)
遠藤氏(プロフ) - 三斗(トリップ願望者)さん» 自分も笑ってこようって思いまして、入社試験の回を読もうと思ったらどれが入社試験の回なのかわからず、どうしてこんなサブタイにしたのか後悔してますwww (2022年7月30日 18時) (レス) id: d7905a84e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遠藤氏 | 作成日時:2020年5月13日 20時