初めてましての方は、おはこんばんにちは。一年ぶりの方もおはこんばんにちは！
どこまでもドアこんぎょでございます(*ﾟ▽ﾟ*)
なんやかんやありまして夢小説から離れていた私ですが、ちょっとした軽いお話を書いてみましたので、これを機に占ツクに復帰できればなと思います！
この作品は
［残念なイケメンとの冬の帰り道のちょっとした小話です。］
ゆっっる〜い話なのでオチらしいオチがありません。
匂わせみたいな終わり方するだけです。
私情ではございますが、特に伝えたいのは、Twitterで仲良くしてもらっている人たち。
断りも入れず音信不通になったりポッと作品だしたり。めちゃめちゃ自分勝手で本当にごめんなさい。これからナメクジ並みの歩みではありますが、このゆるい雰囲気のサイトで活動するのが大好きなので、精一杯執筆させていただきます！
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冷たい風が身に染みるようなまだまだ寒い季節。
同じ塾のロボロ君と一緒に駅まで歩いてゆく。
ロボロ君は重度のゲーマーで、帰路につく今もスマホ画面と向き合って歩いている。
別に友達と帰ってもいいんだけどね。
初めてロボロ君と会った日を思い返す。
……こんな出会い方なかなか無いと思う。
夜の22時くらいだったかな
歩きスマホをしながら帰るロボロ君が、赤信号に気づかずそのまま横断歩道を渡ろうとしていたのだ。
幸い、そのときは私がロボロ君を突き飛ばしたから事故にはならなかった。
心臓がヒヤッてしてキュッってなったよね、うん。
そのあと注意したけどまったく聞く耳持たず。てかそんときもゲームしてたし。
寝ぼけ眼でゲームをする彼を見て、放っておく訳にはいかなかった。だから今日に至るまで、私が彼の目となり足となっている。
『今日塾長いるとか聞いてなかったよね〜。おかげで来週の補習増えたし…！』
いつもこうだし馴れているが、話してるのに「ん」とか「ほぉん」だけなのはどうかと思うな！！
『電柱にぶつかってしまえー…！』
小さな声で呪いをかけたが、スマホしか見てないくせにフツーに避けられた。なんでだ。
尺に触った私は、彼のスマホを奪ってゲームデータを消してしまう。いつもなら。
『うぅ…、寒い……！かじかんで、手が動かんん…！』
やってしまった手袋を家に忘れた。手袋が無いだけで、人はこうも行動が制限されるのか。
手がかじかんで指が動かない。というかコートの裾から手を出したくない、激しい動きしたくない。
グーパーグーパーと手を動かすも、ギギギギギ、、、とマネキンの様にしか動かない指。感覚は無い。
さ゛む゛い゛よ゛ぉ゛〜゛…と低い声を出して耳元で囁くが、「かわいそうやなー。」とだけ返されてテクテクと行ってしまう。
冷たい、冷たいよロボロ君。この北風よりも冷たいよ。
『……こうなったのも全部全部ロボロ君のせいだかんな！！』
「なんでそうなるんや」
『なんでだろう』
ま、君が冷たいのはいつもの事だしいいんだけどさ。
私は寒さで赤くなったカサカサの両手を見つめる。ひゃー、あかぎれにならなきゃ良いんだけど…。
『ふぇくちッ！』
ぶあ、変なクシャミが出てしまった。
ズズッと鼻を啜ると一瞬で冷えた鼻水がヂルヂルと鼻に帰ってきた。ちたない。
やだなぁと思っていると、さっきよりも鋭い風がビュウビュウと吹き始めた。
痛さを感じるほどの寒気がシンシンと身体へ浸みる。
唯一の防寒着のコートとマフラーが風で飛ばされてしまいそう。ほっぺがビリビリする、縮こまるような寒さだ。
『さ、さむぅ〜！』
手を長袖にしまって自分の体を抱きしめていると、ふと視界の隅でロボロ君がスマホから目を離して、ジッと此方を見ているのが分かった。
あまり距離を開けないで歩いていたから顔の距離が近い。
え、どうしたのロボロ君。あのロボロ君がスマホから顔を上げるなんて、、、明日は猛吹雪？いや、猛吹槍？
戸惑っている私にロボロ君は手をさらりと差し出してきた。「ん。」とだけ言って、彼は私の長袖に仕舞われた手に目配せをする。
……え？
手、繋ぐってこと？
「寒そうにしてるから。ほら早よ。」
『……えっ、あっう、うううん。』
凄くテンパってしまった。い、いいのかな？
『さ、寒いから、ね！！』
「んふふ。はい、寒いからな。」
ちょっぴり恥ずかしくて、顔を背けてロボロ君に手を差し出した。
少しカサついていて、意外にもゴツゴツした手だ。思いがけない展開に心臓が鳴り止まない。
私の手に、ずっしりとした温かい何かが置かれる。……ん？
「長い時間ゲームしてたからめっちゃ熱くなってもうてな、スマホ。持ってれば手もあったまるやろ。」
『…………ウン、アリガトウ？』
彼はよかったと言って優しく微笑み、ゴソゴソとポケットを探ったかと思うと今度は暗記カードを取り出した。
『……あッ、そうだね、来週テストだもんね。』
「また忘れてたん？」
またかよ、みたいな目で見られる私。忘れてないよ。忘れてないよ。違う、そうじゃないんだ。
なんださっきの「ふにゃあ」っとした笑みは。眠いからか？眠いからなのか？もう22時半だもんね？？
駅に着く頃にはスマホは完全に冷え切って、私の手はホカホカになって稼働開始。スマホはお礼を言ってロボロ君に返した。
「それじゃまた明日」反対のホームへ進むロボロ君に手を振って、私は電車に乗り込んだ。
ガタンゴトンと揺られながら思い出す、あの一連の流れ。
初めてロボロ君が微笑んだのを見た。めちゃめちゃ可愛かった。
可愛かったけど、さ。
『……あ、なんだ。ただの残念なイケメンか。』
目にチラつくのは車内にぶら下がる広告だが、私の目はどこか遠い目をしている。（と思う。）
ぶっっっっっっっちゃけ、ロボロ君ちょっとカッコいいなって思ってた。眼福じゃな〜って。
でもさ、期待させておいて他に叩きつけるこたぁないよね。
そう、実は私の周りには俗に言う「残念なイケメン」が多数存在する。
友達にも被害者が出ている。イケメンっていうだけで罪深いのに、残念なイケメンだからタチが悪いのだ。
『っはああああぁぁーーーーー。』
肺ごとこぼれ落ちそうなため息を吐き出す。
『……でも、（ロボロ君みたいな）イケメンに弄ばれるのも悪くない。』
ロボロは彼女のドストライクの顔であった。
彼女はこれから幾度となく美男子に弄ばれる(?)ことだろう。
（聡明な読者ならもうお分かりかも知れないが）
彼女のアホまる出しの言動がイケメン達の加虐心やらをくすぐっていることを、彼女はまだ知らない。
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どこまでもドア@こんぎょ(プロフ) - お月様さん» お月様、コメントありがとうございます！無自覚モテdt（なんじゃそりゃ）をイメージして書いたので、そう言っていただけて嬉しいです……！こんなことされてみたいですよねー！ (2021年1月24日 23時) (
レス) id: 02c58d331d (このIDを非表示/違反報告)
どこまでもドア@こんぎょ(プロフ) - うたたねペーターさん» うたたねペーターさんコメント嬉しいです！ありがとうございます！続編は余力があれば作りたいと思っております。この作品とは雰囲気が変わるとは思いますが、是非私の他の作品も読んで待っていただけると嬉しいです！ (2021年1月24日 23時) (レス) id: 02c58d331d (このIDを非表示/違反報告)
どこまでもドア@こんぎょ(プロフ) - らいらいさん» らいらいさんコメントありがとうございます！私もこういったシチュエーションが好みなので共感してくださる方がいて嬉しいです。読んでいただきありがとうございます！ (2021年1月24日 23時) (レス) id: 02c58d331d (このIDを非表示/違反報告)
お月様 - 2推しが…こんなことされたら一たまりも亡き…ヤバイよヤバイよヤバイ―よ―！こんなこといって本当にDTかよ！？ (2021年1月2日 16時) (レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
うたたねペーター(プロフ) - 続編とか作っていただくことは可能ですか……？？？めちゃめちゃ好こです。ありがとうございます。 (2020年12月30日 19時) (レス) id: 6121a17f9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どこまでもドア@こんぎょ | 作成日時：2020年12月29日 15時
