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＿＿＿＿大体の妖怪は眷属を所有している。眷属の数及び質は一種のステータスであり、力自慢のしたい血の気の多い連中はそれはそれは大量の眷属を飼っていた。
では、面白い話をしてやろう。
＿＿＿＿眷属の服装は、大体が主人の趣味で決まると言うのをご存知だろうか？
・半径占いツクールの爆心地です。地雷原でタップダンスとフラメンコをフルで踊っています。
・誤字脱字、番号の振り間違いは囁くようにコメント欄でお願いします。
・もしかしたら続くかもしれません。
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＊＊＊＊＊＿＿＿＿大体の妖怪は眷属を所有している。眷属の数及び質は一種のステータスであり、力自慢のしたい血の気の多い連中はそれはそれは大量の眷属を飼っていた。
では、面白い話をしてやろう。
＿＿＿＿眷属の服装は、大体が主人の趣味で決まると言うのをご存知だろうか？
・半径占いツクールの爆心地です。地雷原でタップダンスとフラメンコをフルで踊っています。
・誤字脱字、番号の振り間違いは囁くようにコメント欄でお願いします。
・もしかしたら続くかもしれません。
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「うちの主人、服の趣味が良くないんだよね」
全身を真っ黒い外套で覆った覆面の男が発した言葉から、その日の【眷属会議】の議題は決定した。
【眷属会議】とはその名の通り近くに住む眷属達で酒やらつまみやらを持ち寄り色々と談義する会である。いかに妖の独占力が強かろうが、流石に可愛い可愛い眷属に「ヤダヤダ！お友達欲しい！！ヤダヤダ！みんなとお話ししたい！！ヤダヤダ！」と約一年ほどごねられれば参加を許してしまうものなのだ。しかし、ごねる最中に「行かせてくれなきゃ嫌いになっちゃうからね！」と言うと高確率で屋敷に閉じ込められるのでお勧めしない。
ちなみに、一時期妖の過保護がナパーム弾で大爆発した時期があり、その時は人数不足でただ菓子を貪り茶を啜るだけの会になっていたが、それはそれでご愛嬌である。
閑話休題。
覆面の男に続き、真紅の襟巻きを巻いた鬼の眷属も手を挙げた。
「おまけに自分たちの選んだ奴しか大抵着せないよな」
数人の眷属が「超わかる」と言わんばかりに頷いた。
彼の襟巻きは他の眷属の手作りだ。六十年ほど前、寒さに凍えている彼を見兼ねたとある眷属が善意で自分の襟巻きを貸したところそれが彼の主人の逆鱗に触れ、その襟巻きは見るも無残なほどボロボロに破られてしまった。それを見た襟巻きの眷属が大号泣して日夜問わず泣き叫び続け、一ヶ月ほど後にその渡した眷属の手でまた新しいものが作られた。それが今の襟巻きである。
「あとさ、たまに着せ替え大会が開かれる」
現世ではゴシックロリィタ、と呼ばれているらしいい洋装に身を包んだ少女が控えめに手を挙げて言った。別の眷属が「ちょっとじゃない、しょっちゅう」と訂正を入れた。
彼女の主人は深刻なるロリィタ・正太郎・コンプレックスである。だがしかし心情はイエスロリショタノータッチなので安全といえば安全だが、彼女の発言から察するにそれ以外なら色々とされているのだろう。
ちなみに今日の彼女の服も着せ替え大会の末に選ばれたものらしい。ストラップシューズまで厳選された繊細な服はただいま大勢の眷属達の哀れみの目に晒されていた。
「あと、五百も生きている連中だと大体がまず洋装を許さない」
平成時代出身の眷属が物凄い勢いで頷いた。彼らが生まれた時代は日本も洋装が主流だったが、激しく頷き続ける彼らの服装はバリバリ和装である。
「それと、やけに自分が贈ったものを身につけたら喜ぶ」
山吹色と緋色の組紐で髪を纏めた少女が言った。事情を知っている眷属達は皆総じて少女の組紐を数秒見つめる羽目になった。彼女の組紐は妖怪からの贈り物で、余計なくらいに妖力と加護がこめられている紐。この紐を付けている限り彼女に悪縁が近づくことはそうそう無いのだ。フルスロットルの独占欲及び加護欲に何名かがすすす……と身を引いたり明日は我が身と身を震わせたりした。
そんな中、猫の眷属である青年が手を挙げた。
「家で着るのも、だいたいご主人様達が選んだのになっちゃうよね」
「わーかーるー」
大振袖の、豊満な胸の女性が酒瓶片手に手を挙げた。
「あとさ、あれだよ。独占欲が強すぎると旦那が贈ってきた、旦那の趣味の、旦那の選んだ服しか着れない」
彼女は眷属を通り越して結納した主従だ。そのバカップルぶりはもはや山城中に知れ渡っている。
何人かが彼女に同意の意を示す中、平成時代に生まれた眷属達は密やかに冷や汗をダラダラ流していた。
(男が女に服を贈るの意味は『脱がせたい』……)
(ほんとに逃げて、超逃げて)
(……南無三)
偶然の脳内会話を繰り広げる眷属達の気などいざ知らず、狐の眷属が空を見上げてふと思い出したように言った。
「ごめんね、私中座する。このあと鞍馬山にお邪魔するのすっかり忘れてた」
「おーいってらっしゃい！」
「じゃあキリいいし『第一万二千三百七十六回眷属会議』、今日はおしまいにする？」
「さんせー」
「なら門限まで酒飲もうぜ」
「おー！！」
＊＊＊＊＊
いずれ主人会議も書けたらいいなー
・外套に覆面の眷属
体の節々に火傷の跡がある。元人間だけれど人間の時の記憶が無く、最近お箸で小豆がつまめるようになった。
「うちの子がお箸使った！」
・真紅の襟巻きの眷属
肉体年齢二十歳、リアル年齢六十歳。十の時妖に拐われて眷属にされた謂わば誘拐眷属。一度も山の外に出たことがないので世間知らず。
「流石に襟巻き破いたのはマズかったかな……」
・ゴシックロリィタの眷属
だいたい二百歳くらいの吸血鬼の眷属。主人のお世話係で苦労人。洋装なのは主人がどちらかと言えば洋装派だから。だから最近の洋和風合わさった着物が普段着となりつつある。
「イエスロリショタノータッチ」
・平成の眷属
ネット依存症。だが最近はネットなんかできないくらいに忙しいので改善されつつある。「末爆」だとか「スパダリ」など最近の言葉を使っては首を傾げられている。DK。
「すぱだりとはなんぞ、と聞いたらすーぱーだーりんの略と言われた。意味が分からぬ」
・緋色と山吹の組紐の眷属
山城国の妖共に出てくる紅葉(桜花)ちゃん。リアル「愛され過ぎて辛い」。最近は某人間くんのことで主人が不機嫌だから、組紐でやり過ごしている。
「紅葉が構ってくれん！」
・大振袖の巨乳な眷属
リアル「愛され過ぎて辛い」の二人目。よく酒を飲む酒豪。眷属一の鈍感と名高い鈍感。実は全国の眷属内で最強。
「うちの嫁が鈍感なの治す薬とか無い？いい加減旦那さん泣くよ？」
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「うちの主人、服の趣味が良くないんだよね」
全身を真っ黒い外套で覆った覆面の男が発した言葉から、その日の【眷属会議】の議題は決定した。
【眷属会議】とはその名の通り近くに住む眷属達で酒やらつまみやらを持ち寄り色々と談義する会である。いかに妖の独占力が強かろうが、流石に可愛い可愛い眷属に「ヤダヤダ！お友達欲しい！！ヤダヤダ！みんなとお話ししたい！！ヤダヤダ！」と約一年ほどごねられれば参加を許してしまうものなのだ。しかし、ごねる最中に「行かせてくれなきゃ嫌いになっちゃうからね！」と言うと高確率で屋敷に閉じ込められるのでお勧めしない。
ちなみに、一時期妖の過保護がナパーム弾で大爆発した時期があり、その時は人数不足でただ菓子を貪り茶を啜るだけの会になっていたが、それはそれでご愛嬌である。
閑話休題。
覆面の男に続き、真紅の襟巻きを巻いた鬼の眷属も手を挙げた。
「おまけに自分たちの選んだ奴しか大抵着せないよな」
数人の眷属が「超わかる」と言わんばかりに頷いた。
彼の襟巻きは他の眷属の手作りだ。六十年ほど前、寒さに凍えている彼を見兼ねたとある眷属が善意で自分の襟巻きを貸したところそれが彼の主人の逆鱗に触れ、その襟巻きは見るも無残なほどボロボロに破られてしまった。それを見た襟巻きの眷属が大号泣して日夜問わず泣き叫び続け、一ヶ月ほど後にその渡した眷属の手でまた新しいものが作られた。それが今の襟巻きである。
「あとさ、たまに着せ替え大会が開かれる」
現世ではゴシックロリィタ、と呼ばれているらしいい洋装に身を包んだ少女が控えめに手を挙げて言った。別の眷属が「ちょっとじゃない、しょっちゅう」と訂正を入れた。
彼女の主人は深刻なるロリィタ・正太郎・コンプレックスである。だがしかし心情はイエスロリショタノータッチなので安全といえば安全だが、彼女の発言から察するにそれ以外なら色々とされているのだろう。
ちなみに今日の彼女の服も着せ替え大会の末に選ばれたものらしい。ストラップシューズまで厳選された繊細な服はただいま大勢の眷属達の哀れみの目に晒されていた。
「あと、五百も生きている連中だと大体がまず洋装を許さない」
平成時代出身の眷属が物凄い勢いで頷いた。彼らが生まれた時代は日本も洋装が主流だったが、激しく頷き続ける彼らの服装はバリバリ和装である。
「それと、やけに自分が贈ったものを身につけたら喜ぶ」
山吹色と緋色の組紐で髪を纏めた少女が言った。事情を知っている眷属達は皆総じて少女の組紐を数秒見つめる羽目になった。彼女の組紐は妖怪からの贈り物で、余計なくらいに妖力と加護がこめられている紐。この紐を付けている限り彼女に悪縁が近づくことはそうそう無いのだ。フルスロットルの独占欲及び加護欲に何名かがすすす……と身を引いたり明日は我が身と身を震わせたりした。
そんな中、猫の眷属である青年が手を挙げた。
「家で着るのも、だいたいご主人様達が選んだのになっちゃうよね」
「わーかーるー」
大振袖の、豊満な胸の女性が酒瓶片手に手を挙げた。
「あとさ、あれだよ。独占欲が強すぎると旦那が贈ってきた、旦那の趣味の、旦那の選んだ服しか着れない」
彼女は眷属を通り越して結納した主従だ。そのバカップルぶりはもはや山城中に知れ渡っている。
何人かが彼女に同意の意を示す中、平成時代に生まれた眷属達は密やかに冷や汗をダラダラ流していた。
(男が女に服を贈るの意味は『脱がせたい』……)
(ほんとに逃げて、超逃げて)
(……南無三)
偶然の脳内会話を繰り広げる眷属達の気などいざ知らず、狐の眷属が空を見上げてふと思い出したように言った。
「ごめんね、私中座する。このあと鞍馬山にお邪魔するのすっかり忘れてた」
「おーいってらっしゃい！」
「じゃあキリいいし『第一万二千三百七十六回眷属会議』、今日はおしまいにする？」
「さんせー」
「なら門限まで酒飲もうぜ」
「おー！！」
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いずれ主人会議も書けたらいいなー
・外套に覆面の眷属
体の節々に火傷の跡がある。元人間だけれど人間の時の記憶が無く、最近お箸で小豆がつまめるようになった。
「うちの子がお箸使った！」
・真紅の襟巻きの眷属
肉体年齢二十歳、リアル年齢六十歳。十の時妖に拐われて眷属にされた謂わば誘拐眷属。一度も山の外に出たことがないので世間知らず。
「流石に襟巻き破いたのはマズかったかな……」
・ゴシックロリィタの眷属
だいたい二百歳くらいの吸血鬼の眷属。主人のお世話係で苦労人。洋装なのは主人がどちらかと言えば洋装派だから。だから最近の洋和風合わさった着物が普段着となりつつある。
「イエスロリショタノータッチ」
・平成の眷属
ネット依存症。だが最近はネットなんかできないくらいに忙しいので改善されつつある。「末爆」だとか「スパダリ」など最近の言葉を使っては首を傾げられている。DK。
「すぱだりとはなんぞ、と聞いたらすーぱーだーりんの略と言われた。意味が分からぬ」
・緋色と山吹の組紐の眷属
山城国の妖共に出てくる紅葉(桜花)ちゃん。リアル「愛され過ぎて辛い」。最近は某人間くんのことで主人が不機嫌だから、組紐でやり過ごしている。
「紅葉が構ってくれん！」
・大振袖の巨乳な眷属
リアル「愛され過ぎて辛い」の二人目。よく酒を飲む酒豪。眷属一の鈍感と名高い鈍感。実は全国の眷属内で最強。
「うちの嫁が鈍感なの治す薬とか無い？いい加減旦那さん泣くよ？」
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作者名：雪寝 | 作成日時：2018年10月5日 19時
