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｢一松くん凄い！テスト学年１位だって！｣
｢なあ松野ー勉強教えてくれよー｣
｢期待してるぞ松野｣
『一松くん対したことないね、学年46位とか』
『松野に聞いてもよくわかんねー』
『期待外れだった』
…………点数下がっただけでこれかよ。
小さい頃から真面目に勉強してたからか勉強には少し強いが、あまりの期待の大きさに押しつぶされた。
潰されたらもう本当に俺はなんにも出来ないクズになっていて、真面目になにかをしようとする気力も起きなくて、日々増えていく俺への悪口を子守唄にずっと学校で寝ていた。
『またアイツ寝てる』
『留年決定だろ』
『順位もめっちゃ下がってるし』
『いつかの人気者の一松くんなんかもういやしねえな』
『ざまあ』
｢一松兄さん｣
ふと俺の名前を呼ぶ声がして起きる。
｢…十四松｣
｢おはよう一松兄さん｣
｢おはよう｣
窓を見れば空は夕焼け色に染まっていて、野球部の十四松が俺がずっと寝ていた教室にきたということは、部活が終わってからきたんだろう。頬に土が付いている。部活が終わったんだとすると、俺は相当な時間寝ていたらしい。
｢一松兄さん｣
｢……何｣
｢………………一松｣
｢だから何ってば…………｣
十四松を見たら、十四松は泣いていた。
本当に泣き虫なのは変わらねえな。
俺は十四松の頭に手をのせて話す。
｢なんで泣いてんだよ｣
｢一松が辛そうだから…｣
｢じゃあなんでお前が泣くんだよ｣
｢一松が泣かないから……｣
｢俺、元気ないように見えるか？｣
｢見える…｣
｢俺に元気出して欲しいか？｣
｢欲しい…｣
｢お前が泣いてたら元気出せねえよ｣
｢じゃあ、俺どうしたらいい？｣
涙を拭った十四松の目はまだ涙が溜まっていたが、あまりにも真っ直ぐな目だったから馬鹿にすることも出来なかった。
｢俺の変わりにお前が泣いても仕方ねえんだから、笑ってくれよ｣
｢俺が笑ったら、元気出す？｣
｢出る出る｣
｢じゃあ俺笑うね｣
それから十四松はわざとらしいものの、精一杯笑顔を作って俺に笑いかけてくれた。
その顔を見ていると自然と悲しみとか、孤独感なんかどったにいっていて。
｢笑えるじゃん｣
俺まで笑っていた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
｢十四松！！｣
｢…………一松兄さん｣
あの日から、何故か悪口は十四松に言われるようになっていった。
『いつも笑ってて気持ち悪い』
『なんか狂ってるみたい』
『怖い』
『近づかないで』
こうなったのは誰のせいだ？俺のせいなのか？俺が笑えって言ったから？
十四松は自分の机の真ん前で佇んでいる。
机には油性で書かれたいろんな暴言。
今までの十四松ならすぐに泣いて俺に抱きついてくる。
だけど…………
｢…十四松、なんで泣かないの？｣
｢…………どうやって｣
ごめん十四松、ごめん、ごめん、ごめん。
｢どうやって泣けば良いのか分からない｣
今にも泣きそうは十四松の笑顔はとても虚しくて、悲しくて、切なくて。
ああ…ようやくあの日の言葉を理解した。
｢一松兄さん？どうして泣いてるの？｣
｢お前が泣けないから…｣
泣けるのに泣かなかった俺は、十四松を泣けなくしたんだ。
……僕のせいだ。
｢一松兄さん！俺笑ってるよ！一松兄さん元気出して！｣
またそうやって笑顔になる。
俺がこんな根暗な性格になって、あの日あんな事を言ったから、コイツはずっと笑うようになってしまった。
｢お前、なんで自分のために泣けないんだよ｣
｢俺は自分よりも一松兄さんが悲しんでる方が放っておけないよ｣
あぁそうだった…コイツは自分より他人を優先するやつなんだ。
十四松に甘えてたんだ。
そしたら泣けなくなってしまったんだ、十四松は。
｢一松兄さん？｣
｢ちょっと黙っとけ｣
俺は静かに十四松の体を抱きしめる。
十四松の体はかすかに震えていた。
…………ごめん、ごめん十四松。
泣かなかった俺を許して。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
この話に関してはそのままの意味だと思ってくれれば大丈夫です。
数字松は自らではなく周りの影響で変わってしまった印象があります。
十四松がずっと笑ってるのは一松が元気が出るために笑ってるみたいな、そんな妄想。
でも9話では十四松がついに泣いていたことから、一松に元気が戻ってきた、という私なりの妄想。
『やっと自分のために泣けたね』
『一松兄さんが元気になったからだよ』
｢なあ松野ー勉強教えてくれよー｣
｢期待してるぞ松野｣
『一松くん対したことないね、学年46位とか』
『松野に聞いてもよくわかんねー』
『期待外れだった』
…………点数下がっただけでこれかよ。
小さい頃から真面目に勉強してたからか勉強には少し強いが、あまりの期待の大きさに押しつぶされた。
潰されたらもう本当に俺はなんにも出来ないクズになっていて、真面目になにかをしようとする気力も起きなくて、日々増えていく俺への悪口を子守唄にずっと学校で寝ていた。
『またアイツ寝てる』
『留年決定だろ』
『順位もめっちゃ下がってるし』
『いつかの人気者の一松くんなんかもういやしねえな』
『ざまあ』
｢一松兄さん｣
ふと俺の名前を呼ぶ声がして起きる。
｢…十四松｣
｢おはよう一松兄さん｣
｢おはよう｣
窓を見れば空は夕焼け色に染まっていて、野球部の十四松が俺がずっと寝ていた教室にきたということは、部活が終わってからきたんだろう。頬に土が付いている。部活が終わったんだとすると、俺は相当な時間寝ていたらしい。
｢一松兄さん｣
｢……何｣
｢………………一松｣
｢だから何ってば…………｣
十四松を見たら、十四松は泣いていた。
本当に泣き虫なのは変わらねえな。
俺は十四松の頭に手をのせて話す。
｢なんで泣いてんだよ｣
｢一松が辛そうだから…｣
｢じゃあなんでお前が泣くんだよ｣
｢一松が泣かないから……｣
｢俺、元気ないように見えるか？｣
｢見える…｣
｢俺に元気出して欲しいか？｣
｢欲しい…｣
｢お前が泣いてたら元気出せねえよ｣
｢じゃあ、俺どうしたらいい？｣
涙を拭った十四松の目はまだ涙が溜まっていたが、あまりにも真っ直ぐな目だったから馬鹿にすることも出来なかった。
｢俺の変わりにお前が泣いても仕方ねえんだから、笑ってくれよ｣
｢俺が笑ったら、元気出す？｣
｢出る出る｣
｢じゃあ俺笑うね｣
それから十四松はわざとらしいものの、精一杯笑顔を作って俺に笑いかけてくれた。
その顔を見ていると自然と悲しみとか、孤独感なんかどったにいっていて。
｢笑えるじゃん｣
俺まで笑っていた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
｢十四松！！｣
｢…………一松兄さん｣
あの日から、何故か悪口は十四松に言われるようになっていった。
『いつも笑ってて気持ち悪い』
『なんか狂ってるみたい』
『怖い』
『近づかないで』
こうなったのは誰のせいだ？俺のせいなのか？俺が笑えって言ったから？
十四松は自分の机の真ん前で佇んでいる。
机には油性で書かれたいろんな暴言。
今までの十四松ならすぐに泣いて俺に抱きついてくる。
だけど…………
｢…十四松、なんで泣かないの？｣
｢…………どうやって｣
ごめん十四松、ごめん、ごめん、ごめん。
｢どうやって泣けば良いのか分からない｣
今にも泣きそうは十四松の笑顔はとても虚しくて、悲しくて、切なくて。
ああ…ようやくあの日の言葉を理解した。
｢一松兄さん？どうして泣いてるの？｣
｢お前が泣けないから…｣
泣けるのに泣かなかった俺は、十四松を泣けなくしたんだ。
……僕のせいだ。
｢一松兄さん！俺笑ってるよ！一松兄さん元気出して！｣
またそうやって笑顔になる。
俺がこんな根暗な性格になって、あの日あんな事を言ったから、コイツはずっと笑うようになってしまった。
｢お前、なんで自分のために泣けないんだよ｣
｢俺は自分よりも一松兄さんが悲しんでる方が放っておけないよ｣
あぁそうだった…コイツは自分より他人を優先するやつなんだ。
十四松に甘えてたんだ。
そしたら泣けなくなってしまったんだ、十四松は。
｢一松兄さん？｣
｢ちょっと黙っとけ｣
俺は静かに十四松の体を抱きしめる。
十四松の体はかすかに震えていた。
…………ごめん、ごめん十四松。
泣かなかった俺を許して。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
この話に関してはそのままの意味だと思ってくれれば大丈夫です。
数字松は自らではなく周りの影響で変わってしまった印象があります。
十四松がずっと笑ってるのは一松が元気が出るために笑ってるみたいな、そんな妄想。
でも9話では十四松がついに泣いていたことから、一松に元気が戻ってきた、という私なりの妄想。
『やっと自分のために泣けたね』
『一松兄さんが元気になったからだよ』
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作者名：いおん | 作成日時：2015年12月25日 12時
