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（……ああ、気づいてしまった。）
昔から見て見ぬ振りをしていたのかもしれない。
気づいた時にはあまり驚かなかったのだ。
ずっと心の中にその気持ちがあったからだろう。
彼女は腕白で、強くて、男勝りで、見た目だけは美少女で。
そんなことを言ったらあまり良い人に見えないかもしれないけれど。
でも、そんな彼女と過ごしてきたからこそ彼女の色々な思いに触れてきた。
「でもなぁ、僕が神楽ちゃんを好きになったっていうのには驚いたな。」
自分の事なのに、他人事のように口に出してみた。
（まさか、そんなわけないアル。）
私がアイツに惚れているだなんて。
昔っからメガネ、メガネって言っていて、
それ以外ではなんとも思っていなかったはずなのに。
でも、私がアイツに守られたっていう事実もあるし。
何を言っても柔らかく笑って、でも真っ直ぐな芯もあって。
ホント、意味が分からないヨ。
「私が新八のことが好きだなんてナ。」
半ば信じがたいその事実を、口に出して言った。
｢……何見てるアルか？新八。」
｢あっ、ゴメン神楽ちゃん。」
目線があった。
家事も仕事も一段落して、ボケっとして湯呑みを眺めていた筈が、いつの間にか目線が動いてしまったようだ。
｢いや別にいいけどヨ。」
素っ気なく彼女が言った。
その言い方に、少し寂しくなる。
(神楽ちゃんは僕のことをただのメガネとしか思ってないだろうな。)
見られた気配がした。
机に置いてあったミカンを食べていると、
前の方から視線を感じた。
一旦食べるのをやめて視線の主を探す。
新八だった。
(え、なにアルか？なんで新八が私を見ているアルか？)
つい最近気づいた私の気持ちを思い出し、少し動揺する。
(まあ、新八は私の事をなんとも思ってないだろうけどネ。)
｢寒いね、神楽ちゃん。」
｢そうアルな。」
冬を感じる今日この頃。
僕達は、スーパーから万事屋への道を歩いていた。
｢あの木は銀香梅って言うんだよ。」
｢なんか、いい匂いがするネ。」
銀さんは今頃パチンコに行っているに違いない。
マダオだから。
｢銀ちゃん、きっとパチンコ行ってるアルな。」
｢奇遇だね、僕も同じこと考えてた。」
言ってしまってから後悔した。
きっと彼女は僕なんかと同じ考えをしていることに腹をたてているだろう。
でも、彼女はそんな顔もしなかったし、そんなことを言ってきたりもしなかった。
ああ、寒いアル。
今日から12月が始まるのだから寒いのは当たり前だけどネ。
きっと、今頃銀ちゃんはパチンコで温まっているだろう。
それを考えていたのは新八も同じようで。
同じことを考えていた。そう考えただけて、ニヤけそうになった。
｢自分ばっかり酷いアル、銀ちゃん。」
｢まあまあ、そんな事言わないの。」
やっぱり、新八は優しい。
銀さんばっかりいい思いをしていることに腹を立てたのだろう。
彼女は口を膨らませていた。
そんな彼女を見て、僕は言った。
｢おでん買ってあげるから、そんな顔しないで？」
｢本当アルか？」
｢ちゃんと買ってあげるから。」
そう言ったら、今度は笑顔になった。
……僕がどう思ってるかなんて、気にもしていないんだろうな。
(やっぱり僕は、神楽ちゃんが、)
｢好きなんだな。」
二人で歩く帰り道。
新八が道路側を歩いてくれる。
コンビニでおでんを買ってもらった。
｢歩きながら食べるのは行儀が悪いから座って食べようね。」
そう言われてコンビニの近くのベンチに腰掛ける。
｢銀さんには内緒だよ？」
そう言った新八は、子供みたいに笑った。
(こうして見ると、やっぱり子どもアルな。)
(こういう新八も、)
｢好きかもナ。」
｢｢……え？｣｣
二人が口を揃えて言った。
まさか、
(神楽ちゃんが僕のことが、)
(新八が私のことが、)
((好きだなんて。))
(でも、僕は、)
(やっぱり、私は、)
｢神楽ちゃんが、好きです。」
｢新八、好きだヨ。」
お互いが言って、お互いが驚いた。
そして、
｢一緒アルな。」
｢一緒だね。」
二人揃って笑った。
こんなにも、思いが伝わって嬉しかったことがあっただろうか。
気づけば今は夕方。
気が付かない間に時間が過ぎていた。
二人で帰る、帰り道。
笑いながら歩く道。
……遠くの方で、銀香梅のいい香り香りがした。
．
．
閲覧ありがとうございました！
なんかグダグダに終わってしまってすみません……。
皆さん、銀香梅って木をご存知ですか？
とってもいい香りがするんですよ！
花が咲くのは初夏なんですけれど、冬でもいい香りがするので使いました。
(つまり私が銀香梅が好きだから使ったっていうだけ)
実は私、新神のお話が好きなんです。
占ツクで、新神のお話を書いている方がいなくてとても寂しいので自分で書いてしまえ！
と、思いつきで書いてしまいました……。
なんか支離滅裂な話になってしまいましたね。
これ以上言っても余計ヘンテコな文になると思うのでここで終わりにします。
本当に、見てくださってありがとうございました！
昔から見て見ぬ振りをしていたのかもしれない。
気づいた時にはあまり驚かなかったのだ。
ずっと心の中にその気持ちがあったからだろう。
彼女は腕白で、強くて、男勝りで、見た目だけは美少女で。
そんなことを言ったらあまり良い人に見えないかもしれないけれど。
でも、そんな彼女と過ごしてきたからこそ彼女の色々な思いに触れてきた。
「でもなぁ、僕が神楽ちゃんを好きになったっていうのには驚いたな。」
自分の事なのに、他人事のように口に出してみた。
（まさか、そんなわけないアル。）
私がアイツに惚れているだなんて。
昔っからメガネ、メガネって言っていて、
それ以外ではなんとも思っていなかったはずなのに。
でも、私がアイツに守られたっていう事実もあるし。
何を言っても柔らかく笑って、でも真っ直ぐな芯もあって。
ホント、意味が分からないヨ。
「私が新八のことが好きだなんてナ。」
半ば信じがたいその事実を、口に出して言った。
｢……何見てるアルか？新八。」
｢あっ、ゴメン神楽ちゃん。」
目線があった。
家事も仕事も一段落して、ボケっとして湯呑みを眺めていた筈が、いつの間にか目線が動いてしまったようだ。
｢いや別にいいけどヨ。」
素っ気なく彼女が言った。
その言い方に、少し寂しくなる。
(神楽ちゃんは僕のことをただのメガネとしか思ってないだろうな。)
見られた気配がした。
机に置いてあったミカンを食べていると、
前の方から視線を感じた。
一旦食べるのをやめて視線の主を探す。
新八だった。
(え、なにアルか？なんで新八が私を見ているアルか？)
つい最近気づいた私の気持ちを思い出し、少し動揺する。
(まあ、新八は私の事をなんとも思ってないだろうけどネ。)
｢寒いね、神楽ちゃん。」
｢そうアルな。」
冬を感じる今日この頃。
僕達は、スーパーから万事屋への道を歩いていた。
｢あの木は銀香梅って言うんだよ。」
｢なんか、いい匂いがするネ。」
銀さんは今頃パチンコに行っているに違いない。
マダオだから。
｢銀ちゃん、きっとパチンコ行ってるアルな。」
｢奇遇だね、僕も同じこと考えてた。」
言ってしまってから後悔した。
きっと彼女は僕なんかと同じ考えをしていることに腹をたてているだろう。
でも、彼女はそんな顔もしなかったし、そんなことを言ってきたりもしなかった。
ああ、寒いアル。
今日から12月が始まるのだから寒いのは当たり前だけどネ。
きっと、今頃銀ちゃんはパチンコで温まっているだろう。
それを考えていたのは新八も同じようで。
同じことを考えていた。そう考えただけて、ニヤけそうになった。
｢自分ばっかり酷いアル、銀ちゃん。」
｢まあまあ、そんな事言わないの。」
やっぱり、新八は優しい。
銀さんばっかりいい思いをしていることに腹を立てたのだろう。
彼女は口を膨らませていた。
そんな彼女を見て、僕は言った。
｢おでん買ってあげるから、そんな顔しないで？」
｢本当アルか？」
｢ちゃんと買ってあげるから。」
そう言ったら、今度は笑顔になった。
……僕がどう思ってるかなんて、気にもしていないんだろうな。
(やっぱり僕は、神楽ちゃんが、)
｢好きなんだな。」
二人で歩く帰り道。
新八が道路側を歩いてくれる。
コンビニでおでんを買ってもらった。
｢歩きながら食べるのは行儀が悪いから座って食べようね。」
そう言われてコンビニの近くのベンチに腰掛ける。
｢銀さんには内緒だよ？」
そう言った新八は、子供みたいに笑った。
(こうして見ると、やっぱり子どもアルな。)
(こういう新八も、)
｢好きかもナ。」
｢｢……え？｣｣
二人が口を揃えて言った。
まさか、
(神楽ちゃんが僕のことが、)
(新八が私のことが、)
((好きだなんて。))
(でも、僕は、)
(やっぱり、私は、)
｢神楽ちゃんが、好きです。」
｢新八、好きだヨ。」
お互いが言って、お互いが驚いた。
そして、
｢一緒アルな。」
｢一緒だね。」
二人揃って笑った。
こんなにも、思いが伝わって嬉しかったことがあっただろうか。
気づけば今は夕方。
気が付かない間に時間が過ぎていた。
二人で帰る、帰り道。
笑いながら歩く道。
……遠くの方で、銀香梅のいい香り香りがした。
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閲覧ありがとうございました！
なんかグダグダに終わってしまってすみません……。
皆さん、銀香梅って木をご存知ですか？
とってもいい香りがするんですよ！
花が咲くのは初夏なんですけれど、冬でもいい香りがするので使いました。
(つまり私が銀香梅が好きだから使ったっていうだけ)
実は私、新神のお話が好きなんです。
占ツクで、新神のお話を書いている方がいなくてとても寂しいので自分で書いてしまえ！
と、思いつきで書いてしまいました……。
なんか支離滅裂な話になってしまいましたね。
これ以上言っても余計ヘンテコな文になると思うのでここで終わりにします。
本当に、見てくださってありがとうございました！
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新八なんだな~ - 新神最高ですよね!! (2021年2月19日 22時) (
レス) id: 2cc561cc5b (このIDを非表示/違反報告)
葉っぱ(プロフ) - 新神が好きな私からしたら、最高の目の保養になりました！(笑) (2019年3月11日 1時) (レス) id: a91563ec61 (このIDを非表示/違反報告)
カンカン - 高評価もっと押してぇぇぇ！！と思う程、素敵な作品でした！！私も新神大好きなので、作者さんも好きって事を知ってとっても嬉しかったです！本当に何もかも、最高でした！ (2019年2月20日 0時) (レス) id: 47f0b93b74 (このIDを非表示/違反報告)
恵凛 - ねこっちさん» ありがとうございます……！ (2018年12月3日 16時) (レス) id: ea17aa5bdd (このIDを非表示/違反報告)
ねこっち - 面白かったです…！！ (2018年12月3日 13時) (レス) id: 2dfb728bd9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリン | 作成日時：2018年12月1日 10時
