闇に死ぬか光に生きるか

暗い

暗ぁい

闇の中

何も見えない

何も聞こえない

ここから出ることはできる

でも、

出たくなどない

出てしまえば

深い悲しみが

自分を喰らう

死ねず

生きれず

笑えず

泣けず

悔やめず

怒れず

痛めず

痛めれず

俺は覚えている

燃え盛る炎の色を

燃え盛る炎の熱さを

燃え盛る炎の恐ろしさを

愛した方を殺す感覚

心ノ臓を貫く刄

喉笛を噛みきる犬歯

貴方に殺される感覚

全て覚えている

けれども

俺は生きる

闇の中に居る己を嘲笑い

光に生きる己を律する

あたかも

光にしか生きていないように

昔の死を明るく話し

貴方との思い出を軽く話す

特に深く考えていないように

友人は複雑な顔で聞く

いや、聞き流すのか

昔を追うな、今を生きろ

誰かが言う

何故だ？

愛しき方は死んだ

愛しき方を亡くした悲しみは

愛しき方との思い出でしか繕えぬ

俺は今を生きているではないか

過去を追ってはならぬなら

俺は過去に戻ろう

一度死に、あの方の下に生まれる

これならばいいであろう

なに、死んでは駄目だと？

ならば過去を追わせろ

それもダメだ？

・・・お前は自分勝手なことを言う

人に生きろといい

人に過去さえも追わせぬ

一度も人を殺した事のない輩に言われとうない

人を殺すのは罪だ

それも大罪

一度大罪を犯せば分かる

気が触れる事でな









俺にとっての悲しみは

光を嫌いながら光に生きること

なれば

闇を好んで闇に死んでいこう

光の友に体を捧げ

闇の主に心を捧げ

最期に残るは醜い魂

この魂

最期に向かうは光か闇か