雨上がりは虹が出る

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＿＿＿今日も夢を見ていた。

友達も彼氏もいない、中学一年生の中谷春日(なかやはるひ)。

いつも決まって湖夜(うみや)と名乗る謎の少年と出会う夢を見ていた。

誰にも踏み込まれたくない、忘れてしまいたいその境界線。それは、あまりにも悲しきものでした。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
どうもこんにちは！天野ピンクです。

小説です。前にホムペで小説を書く人もいるんだ！とあやふやですが、そんな思いから始めました。

これはフィクションです。

ですが、この作品で伝えたいことを伝えれたら良いなと思います。

＿＿＿いつも決まってこの夢を見た。

真っ暗で薄暗く、まるで世界に私だけが生きているかのような周りには誰もいなかった。

「ねェ、君....名前は....？」

「ひぇっ」

戸惑っていると後ろから声をかけらた。驚いてつい変な声が出てしまう。

「え....あ....？」

「名前だよ、君の」

後ろを振り向くが、暗くてよく顔が分からなかったが、男の子だろう。と予想は出来、その声を聞くと何故かいつも安心した。

「はっ....春日....」

「春日。いい名前じゃないか。.....僕は湖夜だ。よろしくね」

「よ....よろしく...」

おどおどしながらも挨拶をすると遠くから声が聞こえた。

「おや、もう時間だ。さぁ、行っておいで」

「えっ....あの....」

トン。と背中を押され私は勢いよく、歩き出した___。

「んん.....」

「春！起きなさいってば！！」

目を開けると怒っているお母さんと
アラームを鳴らしているスマホがあった。

お母さんは寝ている私を乱暴に布団から剥がし、さらに怒鳴る。

「学校に遅刻しても知らないわよ？！」

「んー.....学校.....？」

そう言いながら私はゆっくりとベットから起き上がると、スマホを手に取り時間を見た。

「あ、ああああああ！！！！」

時間はなんと七時半になる頃だった。

「ああああ！！！何でもっと早く起こしてくれないのー？！」

「起こしたわよ！！ご飯は？」

「いらない！！」

そう言って急いで身支度をし、靴をはくと「行ってきます！」と玄関のドアを開けた。

「ヤバイヤバイヤバイー！！！」

学校に遅刻しそうになる私は焦ってさらに走るスピードをあげた。

私の住んでいる町は都会とはほど遠いような小さな町。冬が過ぎ、春が来ると小学生だった私も中学生となった。

「ハァ...ハァ.....」

息切れで学校に行くと普通の教室とは違う特別室へと向かった。

....そう言えば、今日も同じ夢を見ていたな。

いつも謎の少年と出会う夢。

何処かで会ったことがあるような人なのに何処か引っ掛かって思い出せない。

「....おはようございますー」

「はい、おはよう。中谷さん、今日も間に合ったわね」

　　　　　　　　　　　　　ﾅｶﾞﾔｴｲｺ
特別室の扉を開けると担任の永山瑛子先生が教卓に立っていた。

机に座ると先生は「今日はカウンセラーの方とお話するだけよ」と教えてくれた。

....別に何かの病気を持っている訳じゃないし、苛められた訳でもない。

でも私は、独りでないといけない。とずっと昔に決めたことだけは覚えてる。

私は、独り孤独じゃなきゃダメなの。じゃないと、私はまた気づついてしまう。

「ハッ」

気づいた頃にはカウンターの方が教室の中に入っていた。

....何だったんだろう、今のは。

私が孤独じゃなきゃいけない理由は...？私が気づついたわけは....？

いや、考えるのはよそう。どのみち私はどうしようもないのだから。

特別室の生徒は私、一人だけ。まぁ、その方が楽だし、良いのだけれど。

「じゃあ、よろしくね、中谷さん」

「あっ、はい。お願いします」

数時間がたち、キーンコーンカーンコーンとチャイムも鳴り終え、気がつけば放課後になっていた。

「....じゃあ、今日はここまで。明日は土日です。しっかり休んでね」

「はい、さようなら」

学校を出ると二人の男子がじゃれあいながら帰っているのが目に映った。

「....楽しそうで、良いな」

気づけば声に出していたけど、私はその気持ちを無視して家へと向かった。

帰り道、夕日に照らされながら歩いていると電柱が目の前に迫って来ていた。

「.....え....？」

「危ない！！！！」

目の前が真っ暗になって何も考えられなくなりただ呆然としていると横から手を引っ張られた。

「あ....あの....」

「け、怪我は？！ない？！」

「は、はい....」

いきなり、肩を掴まれ質問と迫力に驚きながら答えると男の人は「ああ、それなら良かった」と安堵の様子を見せた。

「た....助けていただき、ありがとうございます....」

ペコリと頭を下げると私は家に帰ろうとまた足を進めようとした。

「まっ、待って...！！」

「え.....？」

またもや手を掴まれ少し、ドキッとするがすぐさまその気持ちを消そうとした。

「あ....その....」

あ...そう言えば、何処かでこの人の声を聞いたことがあるような気がする。

そうだ、夢の人に似ている....というか、そっくり....？

「ね、ねぇ....！貴方、夢で....」

それを言うと明らかに顔の色を変え、真剣な目つきとなった。

「僕は、湖夜です。いつも夢の中で声をかけていたのは僕でした」

「じゃっ、じゃあ....いつも何かを言おうとして.....？」

そう聞くと湖夜は少し悲しげな表情をし、ゆっくりと頷いた。

「貴方には、来てもらわなければならない世界があります」

「行かなければならない、世界....？」

「ルーン国と言うのは聞いたことがないでしょうか」

生まれも育ちもここで、一度もここから出たことのない私には聞いたことのない場所だった。

「....これは、夢...？」

「そう、言うのも無理ありません。しかし、貴方には思い出さなければいけない過去がある。そのために、ルーン国に行ってほしいのです」

現実逃避しようと考えたが、どうやら失敗のようで残念だった。

「....私、春日。敬語はとって、一緒に行きましょう」

「う....うん....！」

私と湖夜は握手して、約束を交わした。

....でも、私はこんなに楽しい思いをしても、良いのだろうか。

ううん。私が孤独でいなきゃいけない理由、探さなきゃ。

昔、何があったのかを。

つづきます！！

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