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CSS 現実逃避で書きました。情緒をめちゃくちゃにされたオタクの怪文書。
夏油傑を救済しようとする同級生の話。ネームレス。推敲してないので読みにくいです。
正気に戻り次第削除／非公開にします。
原作0、8〜9巻のネタバレを含みます。 もうすべてにご注意ください。自衛よろしくお願いします。
それでは、良いお年を！
31/12/2022
11/6 題名変更
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CSS 現実逃避で書きました。情緒をめちゃくちゃにされたオタクの怪文書。夏油傑を救済しようとする同級生の話。ネームレス。推敲してないので読みにくいです。
正気に戻り次第削除／非公開にします。
原作0、8〜9巻のネタバレを含みます。 もうすべてにご注意ください。自衛よろしくお願いします。
それでは、良いお年を！
31/12/2022
11/6 題名変更
まるで、終わらない映画を見ている気分だった。
それも、カセットプレイヤーから流れてくる懐かしい音楽とは真逆で、悪趣味なもの。エピローグが待ち遠しいやつ。
わたしは目をこすりながら目を覚ました。またに戻ってきたのだ。
さっきの仲間の鮮血の匂いがまだ鼻に、モザイクがかかったような五条の声はまだ耳に、人々が生み出す熱さはまだ肌に残っている。眼球に焼き付くほど見た夏油の痛ましい姿。やけに聞こえたちゃんと祓ってやれなかったという五条のつぶやき。
つまり、また失敗したのか。
腹いせにソファを蹴る。それで何かが起こる訳でもなく、A面のハープシコードの音楽に耳を傾ける。落ち着く良い音楽だ。
ここにあるのは古いブラウン管テレビとカセットプレイヤー、わたしが今座っている橙色のソファ。ただそれだけ。ブラウン管テレビは相変わらず何も映さない。ふかふかなソファはわたし一人で座るには大きく感じた。
長い�犧鴇絮猫瓩�ら開放されたここでくつろぐ。再上映といえば聞こえはいいが、実際はただの逆行。何から何までわたしのエゴ。極めて理不尽に、何回も何回も繰り返すだけだ。
周りの人が死ぬ話だった。あるときは理子ちゃんが、あるときは灰原が、あるときは夏油が、あるときは、わたし、が。
最後は決まってわたしが呪霊か夏油に殺されて死ぬ。その度にここに戻る。
トリガーは、夏油が離反して死ぬか否か。
それに気づいてから、何度も何度も巻き返した。
死んで、
巻き返して、
説得して、
死んで、
巻き返して、
庇って、
死んで、
巻き返して、
巻き返し続けて。
それでも夏油はずっと幸せになれない。何回も離反して理想に殉教した。「おいてかないよ」なんて嘯いて何回もわたしを裏切ったことか。自分の大義の為に死んだアホな同期。
わたしは昔から夏油の、なにかを悟ったような顔が嫌いだ。時折見せる、夕暮れの雑踏に一人だけ取り残されたような昏い目が嫌いだ。自分だけ違うと小難しく考えるところが嫌いだ。くだらなく人のためを思って死んだのが嫌いだ。うそ、ほんとは一緒にいたかった。 たかった。──ああ、いいや、なんでもない。胸の中で燻る感情に名前さえつけなければ、それは存在しないことと同義だから。
もう何回目かの時も思い出せない夏油の問が脳裏にこだまする。
「君はなんのために呪術師をしているんだい？」
それはわたしの柔らかく曖昧な覚悟に、鋭く、研ぎ澄まされたナイフを入れるかのような一言だった。
その時の自分がどう答えたのかはもう忘れたけど、彼はなんとも言えない表情だったのを覚えている。彼は確かよく「強者 は弱者 を守るためにある」とよく説いていた。それはもう何回も何回も宣教者のように繰り返し（特に）五条に言っていた。呪術師としては百点満点の回答。解答解説にも乗る模範解答。五歳児 のお手本。
どこか違和感と不安定さをふくむ考えだと、当時は思った。呪術師としては真面目すぎるその思想が仇になったのを、わたしは知っている。
ああ、ここで終わらせなきゃ辛いだけなのに、思考はいとも真っ直ぐに突き進む。
今思えば、彼はわたしたちの善悪の指針のようなところがあったと思う。だから彼はわたしたちの考えを信じた上で、そう問うたのかもしれない。何を思って祓い、どんな風に生きて死ぬのか。いわば、彼はジャンヌ・ダルクのように停滞していた思考を打ち破ったのだ。
代わりにわたしも、事情を知らない彼に向かうつもりで尋ねる。
「また不幸になったの？まだ不幸だったの？どうすれば不幸にならないの？一体いつ、どのきっかけを殺せば良いの？」
理不尽に質問を投げかけたって、ブラウン管テレビは答えない。
わたしはどの出会いを潰せばいいの？九十九さん？理子ちゃん？呪術高専？
わたしたちとさえ出会わなければ、あなたは死なずに済んだの？呪いが見えない一般人として生きていれば、あなたは生きていられたの？わたしは、どうすればよかったの。
一人分の呼吸音とハープシコードの音だけが規則的に響く。
「……ねえ、いつになったらあなたの死体を見ないで済むのかな」
いつになったら4人のままでいられるんだろう？いつになったらあなたの死体を見ないクリスマスイブがやってくるんだろう？おまえのせいで夏とクリスマスが嫌になるよ。しね。いや死ぬな。でも許さない。呪術師でも呪詛師らしからぬ遺言だけ残していくなんて許さない。生きて償え。
手帳に入れたままの写真が捨てられなくて、いつまでも縛り続けられる痛みを味わえばいい。最も未練を捨てられないのは、わたしの弱さだけど。
わたしはこれからも幾度なく時間遡行を繰り返すのだろう。わたしが満足するまで。彼が生きるエンディングに辿り着けるまで。子どもが習いたての小曲を繰り返しピアノで弾く理由のように単純に。
夏油を生かすためにわたしは何度だってよみがえる。チャンスを作ってみせる。宿命を変えてみせる。わたしは確実に生かしてみせる。いくら死んでも、独りよがりでも、あなたを生かして、幸せにしてあげる。
カチリとカセットが音を立てる。六十分のA面が終わったのだ。一呼吸。B面は入れ直さない。その必要がないから。
目を閉じる。
わたしはちょっとばかり立ち止まって、遠くない�牴甬遶瓩里修寮茲侶平Г鰺汁曚垢襦�そうだな、4月だから、桜が咲いているはず。わたしは何回目かもわからない「初めまして」をいうのだろう。硝子はもうタバコを吸い始めていたっけ。グラウンドにはまた穴が空くのだろうか。
ああでも、きっと素晴らしいプロローグに違いない。祝福さ れた新たな始まりだ。
「術式発動、──」
腹に熱が籠り、わたしの呪力が収縮するのを感じた。すべてが因果の2005年に戻ろうとしている。再構築された世界へ、またわたしは旅に出る。
今度こそ、ハッピーエンドにできると信じて。
◇
「私は一度も自分のことを不幸だと思ったことは無いよ。なあ、本当はハッピーエンド はここにないって、わかってるんだろ」
カーテンコールは始まらない。 なぜなら、この悲劇は終わってすらいないから
それも、カセットプレイヤーから流れてくる懐かしい音楽とは真逆で、悪趣味なもの。エピローグが待ち遠しいやつ。
わたしは目をこすりながら目を覚ました。またに戻ってきたのだ。
さっきの仲間の鮮血の匂いがまだ鼻に、モザイクがかかったような五条の声はまだ耳に、人々が生み出す熱さはまだ肌に残っている。眼球に焼き付くほど見た夏油の痛ましい姿。やけに聞こえたちゃんと祓ってやれなかったという五条のつぶやき。
つまり、また失敗したのか。
腹いせにソファを蹴る。それで何かが起こる訳でもなく、A面のハープシコードの音楽に耳を傾ける。落ち着く良い音楽だ。
ここにあるのは古いブラウン管テレビとカセットプレイヤー、わたしが今座っている橙色のソファ。ただそれだけ。ブラウン管テレビは相変わらず何も映さない。ふかふかなソファはわたし一人で座るには大きく感じた。
長い�犧鴇絮猫瓩�ら開放されたここでくつろぐ。再上映といえば聞こえはいいが、実際はただの逆行。何から何までわたしのエゴ。極めて理不尽に、何回も何回も繰り返すだけだ。
周りの人が死ぬ話だった。あるときは理子ちゃんが、あるときは灰原が、あるときは夏油が、あるときは、わたし、が。
最後は決まってわたしが呪霊か夏油に殺されて死ぬ。その度にここに戻る。
トリガーは、夏油が離反して死ぬか否か。
それに気づいてから、何度も何度も巻き返した。
死んで、
巻き返して、
説得して、
死んで、
巻き返して、
庇って、
死んで、
巻き返して、
巻き返し続けて。
それでも夏油はずっと幸せになれない。何回も離反して理想に殉教した。「おいてかないよ」なんて嘯いて何回もわたしを裏切ったことか。自分の大義の為に死んだアホな同期。
わたしは昔から夏油の、なにかを悟ったような顔が嫌いだ。時折見せる、夕暮れの雑踏に一人だけ取り残されたような昏い目が嫌いだ。自分だけ違うと小難しく考えるところが嫌いだ。くだらなく人のためを思って死んだのが嫌いだ。うそ、ほんとは一緒にいたかった。 たかった。──ああ、いいや、なんでもない。胸の中で燻る感情に名前さえつけなければ、それは存在しないことと同義だから。
もう何回目かの時も思い出せない夏油の問が脳裏にこだまする。
「君はなんのために呪術師をしているんだい？」
それはわたしの柔らかく曖昧な覚悟に、鋭く、研ぎ澄まされたナイフを入れるかのような一言だった。
その時の自分がどう答えたのかはもう忘れたけど、彼はなんとも言えない表情だったのを覚えている。彼は確かよく「
どこか違和感と不安定さをふくむ考えだと、当時は思った。呪術師としては真面目すぎるその思想が仇になったのを、わたしは知っている。
ああ、ここで終わらせなきゃ辛いだけなのに、思考はいとも真っ直ぐに突き進む。
今思えば、彼はわたしたちの善悪の指針のようなところがあったと思う。だから彼はわたしたちの考えを信じた上で、そう問うたのかもしれない。何を思って祓い、どんな風に生きて死ぬのか。いわば、彼はジャンヌ・ダルクのように停滞していた思考を打ち破ったのだ。
代わりにわたしも、事情を知らない彼に向かうつもりで尋ねる。
「また不幸になったの？まだ不幸だったの？どうすれば不幸にならないの？一体いつ、どのきっかけを殺せば良いの？」
理不尽に質問を投げかけたって、ブラウン管テレビは答えない。
わたしはどの出会いを潰せばいいの？九十九さん？理子ちゃん？呪術高専？
わたしたちとさえ出会わなければ、あなたは死なずに済んだの？呪いが見えない一般人として生きていれば、あなたは生きていられたの？わたしは、どうすればよかったの。
一人分の呼吸音とハープシコードの音だけが規則的に響く。
「……ねえ、いつになったらあなたの死体を見ないで済むのかな」
いつになったら4人のままでいられるんだろう？いつになったらあなたの死体を見ないクリスマスイブがやってくるんだろう？おまえのせいで夏とクリスマスが嫌になるよ。しね。いや死ぬな。でも許さない。呪術師でも呪詛師らしからぬ遺言だけ残していくなんて許さない。生きて償え。
手帳に入れたままの写真が捨てられなくて、いつまでも縛り続けられる痛みを味わえばいい。最も未練を捨てられないのは、わたしの弱さだけど。
わたしはこれからも幾度なく時間遡行を繰り返すのだろう。わたしが満足するまで。彼が生きるエンディングに辿り着けるまで。子どもが習いたての小曲を繰り返しピアノで弾く理由のように単純に。
夏油を生かすためにわたしは何度だってよみがえる。チャンスを作ってみせる。宿命を変えてみせる。わたしは確実に生かしてみせる。いくら死んでも、独りよがりでも、あなたを生かして、幸せにしてあげる。
カチリとカセットが音を立てる。六十分のA面が終わったのだ。一呼吸。B面は入れ直さない。その必要がないから。
目を閉じる。
わたしはちょっとばかり立ち止まって、遠くない�牴甬遶瓩里修寮茲侶平Г鰺汁曚垢襦�そうだな、4月だから、桜が咲いているはず。わたしは何回目かもわからない「初めまして」をいうのだろう。硝子はもうタバコを吸い始めていたっけ。グラウンドにはまた穴が空くのだろうか。
ああでも、きっと素晴らしいプロローグに違いない。
「術式発動、──」
腹に熱が籠り、わたしの呪力が収縮するのを感じた。すべてが因果の2005年に戻ろうとしている。再構築された世界へ、またわたしは旅に出る。
今度こそ、ハッピーエンドにできると信じて。
◇
「私は一度も自分のことを不幸だと思ったことは無いよ。なあ、本当は
カーテンコールは始まらない。 なぜなら、この悲劇は終わってすらいないから
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作者名：或る猿 | 作成日時：2022年12月31日 19時
