恋の病【始まり統一小説コンテスト】

私はぎゅっと人形を握りしめる
破れてしまうんじゃないか、そう思うほどに
でも、こうしないと貴方がいると思えないんだ

貴方はこれを残して行った
私に渡して
なんて言ってたっけ

「猫が大好きな君へのプレゼントだよ」

私はこんな可愛らしいプレゼントも欲しいけど…
今は、もっと欲しいものがあるんだよ

私は、貴方が欲しいんだ
貴方は物じゃないし、もうこの世界にはいないし
私なんかが隣で歩いていいわけがない
でも
私は恋の病にかかったの
貴方を愛しているの

とても、とても
周りの人とは違う
とっても、愛してるの

どうやったら貴方に会えるかな？
私もこの世界から消えたら会えるかな？
でも、きっと貴方は私を止めるよね

「駄目だよ。自分を大切にしてよ」

って
私は十分自分を大切にしてるのに
貴方のほうが守れてないのに
なのに、どうして貴方は私ばっかり？
貴方こそ、自分を大切にしてほしかった

でも…

私は恋の病にかかりました
なので、貴方を愛しています
そんなあなたはきっと私に「生きて」って言うよね？
なら、私は愛している貴方の言うとおりにしなきゃ
だから、一生懸命生きるよ

何があっても、諦めない
貴方が隣にいると思って頑張るから
だから、雲の上から応援しててね
ずっとそばにいててね

大好きな、貴方へ
私も貴方にプレゼントを送ります

「この花、綺麗だね」

貴方が大好きだった、このピンクの花を