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自分の好きな作品の二次をゆっくりと書いていきたいと思ってます
ハイキュー 及主

「「あ」」

2つの声が重なった。

"天才"と呼ばれている元後輩の影山と、その相棒の日向の"変人コンビ"だった。

「え、え、何で⁈何でいるのっ」
「うるせぇ、ギャーギャー騒ぐな。……こんにちは」
「それ、こっちのセリフなんだけど。何で君たちがここにいるの」

まあ、ここに来ている時点で理由なんて同じなんだろうけど。

ここは県で最も種類が揃っている、スポーツショップ。
どうせ、バレー関係だろう。

「てゆーか王様も来るんだね、お友達と」

今まで王様だったのに、と茶化すと影山は仏頂面になって「はい」と頷いた。

「へー良かったねー。まあ、俺と岩ちゃんほどじゃないだろうけどってイッタ!」

バコンと後ろから頭をはたかれる。

「ちょっといきなり何すんの?てゆーかそのバカ力何?ゴリラなのやっぱ」
「ゴリラはそっち。あんた先輩でしょ、そんな絡みしたらこの子達かわいそーじゃんバカ」

ずっと俺の後ろにいて見えなかったその存在に、飛雄とその相棒は目を丸くして驚く。

「どーも初めまして。私女バレの主将やらせてもらってます。バカと一緒に買い出しなんて冗談じゃないとか思ってたけど、君達に会えたから良かったかも。かなり有名なんだよ」
「はあ⁈この及川さんと買い出しとか幸せでしょ⁈この2人よりも及川さんでしょ!」

俺と一緒にお出かけしたいなんて言う女の子は、たくさんいるのに。
その価値をわかっていないなんて。
やっぱゴリラだ。

そのゴリラは、しげしげと飛雄を見ている。

「王様王様って言ってるけど、王様っていうより何か王子様って感じだね」

「「「はぁ⁈」」」

ハモる3人の声。

言われた本人は驚いてそれ以上何も言えないみたいだし、おチビちゃんは笑いをこらえている。

「だって何かっこいいし、背も高いもん。君モテるでしょ」
「ねえボクの方が背高いんですけど!ボクの方が絶対カッコいいんですけど!」

王子様だなんて、俺だって言われたことないのに!

「そっちの君は何かかわいいね。うちにはいない感じ。いーなー、誰かさんと交換してほしい」
「俺を見ながら言うの、やめてくれない?」

本当のことだし、と答える顔は笑っていて。楽しんでるな、と思う。
けれど、そんなのはどうでも良い。

「ほら、もう行くよ。岩ちゃん待たせたら怒られちゃう」

まだ飛雄とおチビちゃんを見ている彼女の腕を引っ張る。

「あっ、そうだ。買い出しの途中だったんだ」

ばいばい、またねと2人に手を振る。

「あ、そーだ、王様とおチビちゃん」

1つだけ、言っておかなきゃならないことがあるんだ。

「次会った時はコテンパンにして、泣かせてあげるからね」

楽しみにしててね、と手を振る。
絶対負けませんから、と言う声が聞こえる。

店を出て2人の姿が完璧に見えなくなってから、今度は軽く、パコンと背中を叩かれた。

「もー、何してんの。お前自分がゴリラだらってそろそろ自覚しな?」
「誰がゴリラだ。
あんたこそ何してんのよ。あの子達相手に大人気ない」

最後の発言のことだとわかる。

でも、仕方ないでしょ?
悪いのは俺じゃない。

俺のことは何も褒めてくれないのに、アイツらを褒めたお前が悪い。

「俺に何か言うことは無いの?」
「は?黙れクソ川」
「はいはい」

ねえ、ただ俺は、お前に褒めてほしいだけなんだけど。

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作者名:にらたまご | 作成日時:2017年3月13日 22時

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