君がくれたのは

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:264 hit

夜更かし恋愛 Summer ver.に参加させていただきました。
麦わら帽子で書きます。

「なぁ、まだ決まんねぇの？」

「ちょっと待って！うーん....あれもいいしこれもいい...」

今、幼なじみと一緒に、帽子を買いに来ているのである。

全っ然決まらない！！

「なぁ、これやるよ」

そう言ってくれたのは、君の麦わら帽子。

「一応、男女兼用だと思う。」

「あ....りがと...」

君からもらったはじめての物。

＿＿＿好きな人からもらったはじめての物。

＊　　　＊　　＊　　＊　　＊　　＊

「それ、気に入ったの？」

「うん！」

笑顔で答える君は、とびっきり可愛くて。

帽子あげて良かった。

君にはじめてあげたもの。

＿＿＿好きな人にはじめてあげたもの。

＊＊＊＊＊＊

夏祭りも君と行くことになって。

もちろん麦わら帽子をかぶっていくよ？

「お前、今日もその帽子？浴衣とかにすればよかったのに...」

「これがいいの！！」

だって君がくれたものだもの。

＊　　　＊　　　　＊　　　　＊　　　　＊　　　　＊

毎日のように帽子をかぶってくれている。

ほんっと、可愛いやつ。

＊　　　　＊　　　　＊　　　　＊　　　　＊　　　　＊　　　　＊

ブワッ

風が帽子を吹き飛ばす。

「うわっ....あっ...！！」

どうしよう！どっかに行っちゃう....！！

「っと...飛ばしてんじゃねぇよ」

帽子を取ってくれたのは、君だった。

「...ぁりがと...。」

嬉しい....

＊＊＊＊＊＊

...ねぇ、嘘でしょ

何で、君が、女の人に帽子をあげてるの？

みんなに、そんなことしてるんだ。

私は、その一人だったんだ。

あーあ...なに期待してたんだろ。

「あ、おーい！！」

何で、呼んでんのよ。

走って、泣きながら、帰る。

ブワッ

「あ．．．．」

帽子が風にとばされる。

もう、取ってくれる君はいない

「うっ．．．．ﾋｯｸ...ｳｴ...な...んで...」

涙がまた溢れる。

大事な麦わら帽子は、もう見えない。

うずくまって、泣いていた。

「お嬢さん、捜し物はこれ？」

聞いたことがある、優しい声。

「ほらよ。」

麦わら帽子をわたしてくれた。

「あれ、お前が見たの、帽子飛ばされたの取っただけだから。」

「ぅえ！？そうなの！？」

「ばーか。お前以外にやったりすっかよ．．．．」

え．．．？私がポカーンとしてると、

「だー！！もう！！お前が．．．お前が、好きってことだよ。バカ。」

「...わたし...も...です。」

麦わら帽子をぎゅっと抱きしめる。

君がくれた、麦わら帽子と一夏の恋。

END

＊＊＊＊＊＊

ありがとうございました。すごく楽しかったです。

ホムペを作る｜感想を書く
 他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って！｜面白い！→ )