ありがとうの気持ち。

『あぁ、いよいよ、今日卒業するんだ…』

学校に向かう途中、そう呟いた。

私はまだつぼみの桜の下を歩いていた。

『まだ咲いてないなぁ、桜。』


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十四松君は、勉強が苦手で私が教えていた。

『だから、ここは因数分解してこうだって！』

「いんすうぶんかい？それなんだっけ？
美味しいの？」

『美味しくない！だーかーらー…。」

十四松君は、テストでギリギリ赤点を免れたり
ギリギリ赤点だったりを繰り返していた。

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「どぅーん！せぇんぱぁーーーい！」

『わ！十四松君！おはよう。』

「おはよん、6、3のーーーゲットゥー！
卒業おめでとうございます！」

『あはは！ありがとう。十四松君とは、
部活でも、いろいろお世話になったしね！
来年度も頑張って！』

「ありが盗塁王！もちろんでっす！」

『十四松君、明るくて楽しいね！
あ、学校着いた。式の後で、また話そうね！
バイバイ。』

「りょーかいでっす！」

そう言って、私達は式をする体育館に向かった

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式が終わり、校庭を歩いていた。

あぁ、十四松君といるととっても楽しかった。

でも、卒業したらもう会えないんだ。

寂しいな…



「せっ、先輩！」

『十四松君⁉なんでここに？』

「あ、あの、先輩に、プレゼントがあって…」

『えっ、何？』

スッと差し出されたのは、ひとつの箱。

『開けていい？』

こくんと頷いたのを確認して、箱を開けた。

そこには、綺麗な黄色い宝石がついたネックレスと1通の手紙が入っていた。

『わぁ、綺麗…。』

「今まで、勉強教えてくれてありがとうごさいました！
えと、高校行っても、僕のこと、忘れないでください！
あと、これも…」

そう言って、後ろに回してた手を出した。

そこには、桜の木の枝があった。

その桜は、綺麗に咲いていた。

『これっ、どこの桜？まだこの街の桜はさいてないばずっ、』

「先輩のために、走って探してきた！
先輩、桜の花言葉知ってる？」


『十四松君、ありがとう。
桜…なんだっけ？』

「精神の美、優美な女性だよ。
ずっと、美しい先輩でいてね！」

『そっか…。そうだ！
十四松君、ありがとう！
十四松君も、頑張ってね！』

「うん！
ネックレス、かけてあげるよ。」

私は、十四松君に、ネックレスをかけてもらった。

黄色い宝石が、キラッと光った。

『これを見たら、十四松君を思い出すね。』

「うん。忘れないでね！」

『うん、絶対忘れないよ。
あ、そろそろ集合かかってる！』

そう言って、私は駆け出した。

十四松君は、大きく手を振りながら、

「先輩！頑張ってねぇー！
フレーフレー、先輩っ！」

とエールを送ってくれた。

『ありがとう！』

そう言って、私は新しい道を走って行った。

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数年後


「先輩っ！お久しぶりです！」

『あっ、十四松君！久しぶり〜！
無事、卒業できたんだー！』

「そっすね！無事出来たっす。先輩のおかげで。」

『十四松君が頑張ったんだよ。
卒業、おめでとう。』