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ぼたぼた、と腹から溢れ落ちる朱黒い何か。
此の組織に入ってから幾百と見慣れた其れは、何様にも例え難い死の香りがした。
部下をひとり、庇ったのだ。ええと名前は確か、矢賀だったか。よく私と談笑をして呉れたのを然と憶えている。
目元を隠す黒い硝子越しでも解る、泣きそうな彼の顔。私の為に泪を零す暇が在るのなら、敵ひとり殺した方がよっぽどマシだろうに。
だってこの血量から察するに、私はもう___
「おいYOUッ、何やられてんだ」
「ッ中也、早く止血帯を。急いで」
「分かってる。此の莫迦…」
薄れ征く意識の中、緊迫した表情 を浮かべる帽子野郎と、包帯男が垣間見えた。
こんな阿呆面見たことが無い。いつものように悪態でも突いてやろうかと思ったが、もう口は動かなかった。
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「__ねぇ中也。私、もう耐えられない」
「手前と同意見なのは少々癪に障るが、太宰。俺等、結構我慢出来た方だと思うぞ」
こうして怪我をする事がそう珍しいものでは無かった。元々じっとしていられない奴だし、仕方の無い事。
然し今回は余りに酷い。俺等のYOUが消えてしまうなんて許さない、認めやしない。
場所も道具も用意済。必要なのは理由だけだったが、其れも手に入った。充分過ぎる。
集中治療室で静かにすやすやと眠る彼女は、この後起こる事件をまだ知らない。
知る由も、ない。
ぼたぼた、と腹から溢れ落ちる朱黒い何か。
此の組織に入ってから幾百と見慣れた其れは、何様にも例え難い死の香りがした。
部下をひとり、庇ったのだ。ええと名前は確か、矢賀だったか。よく私と談笑をして呉れたのを然と憶えている。
目元を隠す黒い硝子越しでも解る、泣きそうな彼の顔。私の為に泪を零す暇が在るのなら、敵ひとり殺した方がよっぽどマシだろうに。
だってこの血量から察するに、私はもう___
「おいYOUッ、何やられてんだ」
「ッ中也、早く止血帯を。急いで」
「分かってる。此の莫迦…」
薄れ征く意識の中、緊迫した
こんな阿呆面見たことが無い。いつものように悪態でも突いてやろうかと思ったが、もう口は動かなかった。
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「__ねぇ中也。私、もう耐えられない」
「手前と同意見なのは少々癪に障るが、太宰。俺等、結構我慢出来た方だと思うぞ」
こうして怪我をする事がそう珍しいものでは無かった。元々じっとしていられない奴だし、仕方の無い事。
然し今回は余りに酷い。俺等のYOUが消えてしまうなんて許さない、認めやしない。
場所も道具も用意済。必要なのは理由だけだったが、其れも手に入った。充分過ぎる。
集中治療室で静かにすやすやと眠る彼女は、この後起こる事件をまだ知らない。
知る由も、ない。
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徳田 楓歌 - 今晩は、あの続きが気になって参りました、頑張ってください! (2018年11月20日 21時) (レス) id: f57ca5c3c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:燐架 | 作成日時:2018年4月10日 22時