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童話風の何かです。







昔々のお話です。

ある日のこと、魔法の国のお姫様は、とても退屈していたので、冒険を見つける旅に出かけました。

魔法の本を持ってお城を抜け出すと、目の前には深い森が広がっています。
お姫様は勇敢だったので、
「こっちのほうが楽しそうだわ。」
と呟いて、ずんずん森の奥へ進んでいきました。

しばらく進むと、日向でつかれたシカが足を休めています。
「シカさん、この辺りで冒険になりそうなことって、何かないかしら?」
シカに水筒の水を分けてやりながらそうたずねると、シカはこう答えます。
「そうだなあ、この先に怪物の家があるよ。 そこなら、きっと何かあるんじゃないかな。」

しばらく進むと、今度は小鳥が落ちた木の実をつついています。
「小鳥さん、怪物の家には、何か冒険になりそうなことがあるかしら。」
そうたずねると、小鳥はこう答えます。
「怪物の家はやめといたほうがいいと思うね。 あいつはこどもをさらって食べてしまう。 こないだも、貴族の子供がさらわれて来たよ。」
お姫様は人が良かったので、それを聞いて、さらわれた王子を助けに行こうと思い立ちました。

「小鳥さん、怪物の家はこっちであっているの?」
と、お姫様がたずねると、小鳥も諦めたのか、丁寧に道を教えてくれました。
「まあ、行くっていうなら止めないがね。」
と言って、小鳥はお姫様を見送りました。

そして、ついに。
お姫様は怪物の家の前にやってきました。
門の前では、綺麗な服を着た女の人が泣き崩れています。
かわいそうに思ったお姫様は、お気に入りのハンカチをあげました。
すると女の人は、お礼にこう教えてくれました。
「いま、怪物はよその国へ出かけて留守だから、キッチンのドアからそっと入りなさい。 お昼には帰ってしまうから、気をつけて。」
低かった太陽は、もう空の上の方までまで登っていました。

その言いつけを守って、キッチンのドアをそっと開けると、中はがらんとしていました。
静かに中へ進んでいくと、廊下から泣き声が聞こえます。男の子の声でした。

廊下へ行くと、地下室へ続く扉が半開きになっています。泣き声はここから聞こえていたのでした。
真っ暗で明かりもなかったので、お姫様は本を開き、呪文を唱えて小さな火の玉を出し、あたりを照らします。

下に降りてみるとなるほど、そこにはかわいそうな1人の男の子がいました。
「ずっとそこで泣いていたの?」
とたずねると、男の子はそうだと言いました。
「だって、怪物が帰ってきたら食べられてしまう。」
「そうはならないわ! 私があなたを助けてあげるもの。」
お姫様は男の子を元気付けるように、精一杯明るく話しました。
それで、男の子も元気が出て、2人で牢から出て、また怪物の家からも出ていきました。

太陽はもう、てっぺんまで登っていました。
森の前まで来たところで、怪物が帰ってきたようで、怒り狂う声がお姫様たちのところまで轟いてきます。

お姫様は、怪物が追ってこれないように、本を開いて、呪文を唱えて氷の壁を作りました。
これで、しばらくは大丈夫でしょう。
2人は森の中を小さい足で駆け抜けます。
小鳥と話したところまで来ると、氷の壁が壊される音が聞こえてきました。

お姫様はまた呪文を唱えて、今度は強い風で木をなぎ倒して、怪物が通れないようにしました。

シカと話したところまで来ると、休んで元気になったシカが2人を待っていました。
「怪物に追われてると、小鳥に聞いたんだよ。 2人とも、僕の背中に乗るといい。」
そう言って、2人を乗せたシカはお城の方までぐんぐんかけていきます。
さっきまで後ろに迫っていた怪物も、もう見えなくなりました。

やっと森の出口にたどり着くと、シカは2人のお礼も聞かずに走っていってしまいました。
先の方で、お姫様を心配した人たちが待っています。

今日の冒険はここまで。

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(プロフ) - 今読み返すとイザナギイザナミ(だっけ?)の話とか、魔女から逃げる話とか鬼から逃げる話とかに影響を受けまくっているな!普遍的な魅力があるのだろうか (2018年2月5日 23時) (レス) id: e0f134ff7d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年12月14日 19時

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