怖い【ハイキュー!!】

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大地さんは、強い。


レシーブが上手くて、いつもどっしり構えてて、俺がミスしても、いつも声を掛けてくれる。

ドンマイ、次一本...って。

自分が怪我したときも、田中に心配かけないように、笑って。


あの人を失うのが、怖い。






スガさんは、強い。

いつも笑ってて、俺がスパイク決めたらいっぱい褒めてくれる。

頭をわしゃわしゃってして、すごいなーって、笑って褒めてくれる。

コートに立てないぶん、俺達のケアを一生懸命にしてくれる。


あの人を失うのが、怖い。






旭さんは、強い。

気弱で、優柔不断だって、本人は言ってるけど、

旭さんはすごく優しい。気弱なのも優柔不断なのも、優しさの中に含まれてる。

あの人のそういうところは、弱さではなく強さなんだと思う。


あの人を失うのが、怖い。






清水先輩は、強い。

美人で、優しい。いつも無表情だったけど、でも笑うと百合の花が咲いたみたいで、綺麗。

必要以上に喋らないけど、でも、いつも俺達をサポートしてくれて。

意外と抜けてるところとかもあって、失礼な表現だけど、可愛い。


あの人を失うのが、怖い。






西谷は、強い。

アイツはいつもうるさくて、元気というよりもうるさい。

でも、コートに入ってしまうと、その騒がしさは吹っ飛んでいってしまって。

ゲリラ豪雨という表現が当てはまらなくなる。


あいつを失うのが、怖い。






田中は、強い。

西谷ほどではないけど、うるさい。そして顔面も怖い。他の部の１年にはけっこう怖がられてる。

でも、すげーいい奴で、情にアツくて、涙もろくて、仲間想い。

そんな義理人情を具現化したような奴。


あいつを失うのが、怖い。






力は、強い。

あいつはすごく努力してる。俺の比にならないくらい。

あいつは部活に戻ってきてから、人一倍自分に厳しくなった。

そんなところも全部含めて、あいつは次期主将に相応しいと思う。


あいつを失うのが、怖い。






成田は、強い。

日向や月島の代わりに、試合にちょくちょく出てる。それはほんの一瞬だったりするけど、それでも凄いと思う。

あいつは人の一挙一動に敏感で、不調とかを見抜いて相談に乗ってくれる。

それから意外と面倒くさがりやで、その辺は親近感が湧く。


あいつを失うのが、怖い。






影山は、強い。

アイツはすげー天才で、バレーが上手くて、羨ましい。

でも、勉強とか対人関係とかはグズグズで、そういうところがちょっとかわいい。

バレーバカで、天然で、怖いもの知らず。


あいつを失うのが、怖い。






日向は、強い。

うちの部では２番目にチビで、強面の高身長の相手にはすぐビビる。

でも、アイツはすげー"とぶ"。身長を類い稀なジャンプ力でカバーして、チームに貢献してる。

天然で、可愛がられ上手で、でも意外とお兄ちゃんらしいところもある。


あいつを失うのが、怖い。






月島は、強い。

クレバーでいつも静かで、最初の頃はどう絡んでったらいいかわかんなかった。

でも、実は打たれ弱いところとか、実は甘党なところとか、ちょっとかわいい。

最近では、ちょっとずつ俺に話しかけてくれるようにもなった。


あいつを失うのが、怖い。






山口は、強い。

俺と同じくらいにビビリで、臆病で、でもすげー努力家で。

あいつがジャンフロ決めたときは、俺もめちゃくちゃ嬉しかった。

俺がジャンフロ教えてくれって頼んだら、すげー慌てて、俺で良かったら...って言ってくれて。


あいつを失うのが、怖い。






谷っちゃんは、強い。

夏休み前に、部に入ってきてくれた可愛い女の子。

小動物みたいで、めちゃくちゃ怖がりで、被害妄想が膨らみすぎて、挙動不審になるような不思議な子。

でもそれだけじゃなくて、清水先輩の後をついて回って、一生懸命に仕事を覚えようとして、俺みたいなのにもちゃんと心配してくれる。

あの子を失うのが、怖い。






武ちゃんは、強い。

バレーのことは全く知らずに顧問になって、すげー心細いはずなのに。

武ちゃんは俺らのために、たくさん他校のバレー部に話をしてくれて、俺らの知らないところで何回も頭を下げてくれて。

それでも、ダメだった、ごめんね！って、俺らにも何回も頭を下げて。


あの人を失うのが、怖い。






烏養さんは、強い。

最初はずっと武ちゃんの頼みを嫌がって断ってたのに、最終的には今も俺らに付き合ってくれて。

烏養監督の孫って聞いて、すげー嫌だった。

練習はやっぱり厳しいけど、それ以上に烏養さんは優しくて。


あの人を失うのが、怖い。









＿＿＿仲間を失うのが、とても怖い。









俺は皆が大好きだ。









...じゃあ、俺は？







...もしも仲間と思われてなかったら？



...もしも居なくてもいい存在だと思われてたら？







そんなことは、１回も考えたことはない。...って言ったら嘘になる。





...でも。




俺は不思議と、そう思われてるとか思えない。


だって、すげー大事にしてもらえてるから。




大地さんはよくアドバイスをくれるし、

スガさんはトスを上げてくれるし、

旭さんはよく声を掛けてくれるし、

西谷は俺に構ってくるし、

田中は俺なんかをライバルって言ってくれるし、

力は俺を気遣ってくれるし、

成田は俺と一緒に居てくれるし、

影山は俺にもトスを打ってくれって頼みに来るし、

日向はよく俺のクラスに遊びに来るし、

月島もちょっとずつ話してくれるようになったし、

山口はジャンフロ教えてくれって言ったら快くOKしてくれて、

谷っちゃんはよく俺を気にかけて話しかけてくれるし、

武ちゃんは俺にも他の奴と変わらず対応してくれるし、

烏養さんは俺にアドバイスと提案をしてくれる。



こんなモブ同然の俺を、こんなに思ってくれてる。


これのどこを見て、自分は大事に思われてないって言える？








俺はまだ１回も試合に出たことないけど、でも、コイツらと一緒に、全国で頑張りたいと思う。









＿＿＿怖い。



俺は、怖い。


家族を失うのも怖いし、友達を失うのも怖いし、仲間を失うのも怖い。





これは、臆病者の俺の、独り言の話。





fin.




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どうでしたでしょうか。


主人公は、お察しのとおり、木下くんです。

彼は烏野メンバーの中で唯一試合に出た描写がありませんでした。

１年の夏に、部活から逃げたこともあります。


でも、戻ってからは逃げ出さず、前だけ向いて一生懸命に練習に励んでいます。



そんな彼は、見事に私の一番の推しキャラとなりました。

このサイトには木下さんメインの作品が少なすぎて泣きそうです。

そこでせめてもと、私の思いをひっそりと上げさせていただきます。





大丈夫、君はちゃんと強いよ。









以上、空中浮遊でした！




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