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卒業式の日が来てしまった
圭人は一体どうなるのだろう
卒業式
普通はめでたく嬉しい日

でも私にとっては悲しい日
彼とのお別れの日だから


昨日の約束したから迎え行くともう用意して待っていた

少し早めに出たからまだ時間はある
ゆっくり歩いて行くことにした

「昨日は悪かった 焦ってたんだろうな、俺
あんなことなったの昨日が初めてで」
「謝る必要ない 私が園咲君でもきっとそうしたと思う」
「ありがとう 優しいな美音 そう言ってくれるの美音だけだよ」

しばらく沈黙が流れて とっても悲しくなった
「圭人、どうするの今日?」
「消滅」
「やだ!離れたくないよ。いかないで圭人 どんな体でも大好き だから一緒に居よう」
「もう決めたんだ。ヴァンパイアになって人を殺すよりずっといい
俺もお前と一緒に居たいけど  仕方ないだろ  いつか好きな人ができたらその人と幸せになれよ
きっと俺より幸せにしてくれる」
「ううん.圭人以上の人なんていない 圭人じゃないとダメなの」
「そんなこというな  ちゃんと幸せになれよ 天国or地獄でみてる  お前が笑顔じゃないと呪いかけてやる」
「でも笑えないよ  圭人なしの人生なんて面白くない」
圭人は消え入りそうな笑顔を見せた



教室に入るとみんなが圭人を見てビビっている
黒板を見ると
(園咲圭人はヴァンパイア 血を吸う為にこの学校にきた!)
「なに...これ」

「塚倉、どういうこと」
圭人は塚倉君に聞く
なんで塚倉君?
「お前がやったんだな 誰にこんなこと聞いた!」
「高杉さんが教えてくれた」
え 私やってない
「どういうこと?」
「違っ。私やってないよ 塚倉君、なんで」


「どういうことだよ。塚倉」
聞いたことない低い声
「おい 怪物。やめろよ  人殺しすんな」
「そうだ  塚倉何も悪いことしてねーじゃん」
「むしろヒーロー 怪物のこと教えてくれたんだから」
「怪物 出てけよ お前と卒業式出たくねー」
「「「出てけ 出てけ」」」
みんなが連呼する

前 こんなことがあったとき助けてくれたのは圭人
それなのに私はこんなとき何もしてあげられないの

「やめて 
なんで6年間一緒に過ごした仲間をそんな風に言えるの?おかしいよ
それに塚倉君もこれって腹いせ。カッコ悪いよそんなの
圭人だってなりたくてヴァンパイアになったわけじゃない
ちょっとは圭人の気持ちを考えてあげて
みんなのこと考えて圭人は...」 

「もういいよ。俺がヴァンパイアなのは事実だし」
話ながら出てしまっていたらしい涙をふきながら圭人が言った

「ちょっと待て  みんなのこと考えて圭人は...ってどういう意味?」
「消滅する  今日か明日、長くても明後日 大丈夫 みんなを傷つけない
信用ないよな  怪物に言われても」

「圭人 それ本当?」
「うん。人殺ししたくないからね」
「悪い...何も知らないで うらやましかったんだろな お前のこと
美音の好きな人だったっから みんなも変なこと巻き込んで悪かった」
「「「ゴメン」」」



朝こんなことがあったけど卒業式の時にはみんな普通だった
「卒業証書授与 6年1組 1番.......................
10番園咲圭人」
「はい。僕は..................................................」
中学生になれないのをわかってて中学への抱負を述べているのが痛々しい
今日が彼とのお別れの日 それを思い出して泣きそうになる

ここにいる31人のうち27人は同じ学校
でも違う学校でも会おうと思えば会える
けど彼はこの世からいなくなる

まだたったの12歳
これからが人生 みたいな歳なのに

「11番高杉美音」
圭人と目があうと笑ってくれた
「はい。私はこの6年間で..................................................」
今まで何度も練習した言葉
最後にちょっと圭人へのメッセージをいれた
気づいたかな


園咲圭人編
卒業式の後塚倉を呼び出した
「美音のことよろしく 幸せにしてくれ」
「おう 任せろ お前のこと忘れるくらいな」
塚倉は信用できる それに幸せにきっとしてくれる



卒業式も終わり、 近くの海辺を歩いている
「いろいろありがとう。思い出たくさんできた それにずっと好きだった人とデートも」
「私こそありがとう  いっぱい守ってくれて  ずっと好きだった人と一緒に過ごした日々
忘れないから 」
唇と唇が重なりあう  前の時より強引で引き込まれてしまいそう
長い長いキスのあと

「時が来た」
圭人が言った

上を見上げると青空だった空が黒い塊で覆われている
「嫌 なんで圭人なの?人はたくさんいるのに。」
「俺もよくそう思ってた けどもう仕方ないことなんだよ お前は俺の分まで幸せになれ
それが俺の願い  ずっと一緒にいてやれなくてゴメンな どれだけ離れても俺はずっと美音のこと好きだから」
「私もだよ ずっと圭人のこと好きだから」
圭人は少し苦笑いをして
「ありがとう」といった
「最後に1つ 私のお願い聞いて」
圭人の返事を待たずに唇を塞いだ 自分からやるのは初めてで下手かも知んないけど そんなのおかまいなし  彼の柔らかな唇に何度も何度もキスをする


「...お願いってこゆことか」
「下手だった?」
「んや 美音らしい味 俺は好きだよ」


そんなことをいっていると雨が降ってきた


2人ともびちゃびちゃになっていく
もうあんまり時間ないんじゃないかな


「そろそろ限界  もう時間みたい  じゃあね 何度も言うけど幸せになってください
それから今までありがとう」

私が不服そうな顔をしているといきなり唇に柔らかな感触がした 今までとは全然違う深い深いキス

やってるうちに涙が流れた  脳裏をこれまでの思い出が過る
本当は泣いちゃいけないってわかってた  私より圭人の方が何倍も辛いだろうから


「泣くな  お前には涙 似合わない  いっつも笑顔だったから好きになったんだ
これからもちゃんと上を見上げて生きろ  俺はいつもお前を見守っているから」


ずっと下だった視線を上にもっていくと圭人の体が徐々に薄くなっていることに気づいた


「私 彼氏作んない  一生圭人ひとすじ  ちゃんと笑って生きる だから見守っててね」
「おう でも彼氏は作れ」
「やだ」
「作れよ」
こんなちょっとした悪ふざけを幸せと感じるのは今日が初めて

「じゃあな」
そういった時にはもう消え入りそうで それなのに笑ってる圭人に最後のキスをした
強引ではなく優しく包みこまれるような
そんなキス


キスをやめるとそのまま圭人は消えていった
「嫌だよ 上を見上げてなんて生きられない 圭人がいたから笑ってたんだよ
圭人 戻ってきて」
泣きながら何度もそう叫んだ



どれだけたったのだろうか
いつの間にか雨は上がり青空が広がっていた
そして、圭人のいたところをみるとキラキラした宝石が落ちていた
拾うと太陽に反射して色が変わった

「キレイ」

今までの悲しみを全部吸いとってくれる気がした


「これなら笑っていられるね ありがとう圭人」




私はもう彼氏を作らない 圭人以外好きにならない
そう決めた

圭人に言われた通り笑って生きる


_完_

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作者名:ryu | 作成日時:2015年6月19日 23時

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