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冬に近付いてきたので、敢えて夏に執筆していた作品を供養します。

あの蝉が大合唱し、ジリジリと皮膚を焦がすかの様に照り付ける太陽は、今やもう弱々とした日差しへと変わりはて、秋虫たちの演奏会が日暮れと共に行われます。

感想をコメントして頂けると次回作へと活かしますので、宜しくお願い致します。
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暑苦しく寝苦しい。

蝉の声が遠くに聞こえる。

「ねぇ、ひーくんは温かいね」

そう言った彼女に僕は笑った。

「ひーくんって、ヒマワリみたいだね。
太陽に照らされてキラキラしてるヒマワリみたい」

その時、僕は少し嬉しかった。
なぜなら、当時の僕はヒマワリに憧れていたからだ。
自分よりもぐんと背の高いヒマワリに、僕は彼女のその言葉に心底、心酔していた。

「当たり前だろ、僕はいつかこのヒマワリより、もっと大きくなってやるんだ!」


あの日、突き刺さるような日差しと、青空と入道雲がヒマワリ畑を見下ろす様にしていたのを、僕は鮮明に覚えているのに。

彼女の顔だけは、ぼんやりとしていて覚えていない。




「…ぃ、ぉぃ!
おい、浩(ひろし)!」


はっと顔を上げると、なんてことは無い。いつも顔馴染みのメンバーが俺を心配そうに見ていた。

俺は周りを見るが、あの突き刺さる様な暑さも青いインクをぶちまけたような空も、入道雲でさえもなかった。

いつも通りの教室で秋に入り始めた為に目の前の彼等も俺でさえカーディガンを中に着込んでいる。


あれは夢だったのだろうか?
鮮明すぎる映像に俺は少し首を傾げた。

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作者名:無自覚サイコパス | 作成日時:2018年11月11日 22時

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