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ヤバいホムペにハマったかもしれないハムスターさんだ。

いや、超お手軽。本当に。

注意!
前回とは打って変わってちょい甘め。
トド松がピンク色のマニキュア塗りたくられてるだけ。
以上のことが無理って方は、全力で逃げて下さい。

前回【一松】残さず、食べてね?【観覧注意】
これは、何の罰ゲームだ、そう思いながらトド松は自身の指先を見る。

形が良く、兄弟からも、お前、女っぽいな、何て笑われていた彼の指先には、可愛らしいオペラモーヴ色のマニキュアが、
どこか淡いこのピンクは、僕のイメージカラーでもある。これが、僕の手にではなく、彼女の手に塗られているのなら、素直に綺麗だと思えていたであろう。
部屋中に広がるツンとした匂いを不快に思う。

「ねぇ、これ楽しいの?」

堪らず僕は不満を口にする。すると彼女は顔をあげた、彼女と僕の視線が絡まったが、彼女は特に気にした様子も無く、楽しいよ、と笑顔を見せる。

『うーん…やっぱりトド松の方が似合うね、爪の形綺麗だし。』

「何それ、全然嬉しく無いんだけど。」

『なんでさ、折角褒めてんのに。』

「言わなきゃわかんない!?男だからだよ!!」

突然出した大声に、彼女はキョトンとした後、そんなこと百も承知だよ、と笑う。

『文句言わないの、だいたいトド松がレンタル彼女だなんて変な物に手を出すからいけないんだよ。』

「いやさ、それはそうだけど…誰も男にマニキュア塗ろうとなんか考えないでしょ。」

『いるよ、ここに。』

皮肉っぽく言う彼女に僕は思わず眉を寄せる。
今回ばかりは完璧に僕が悪い訳だから、何も言えない。
そうこうしている間にも彼女は真剣な表情で僕の爪に丁寧にマニキュアを塗る、冷たい感覚が何だかくすぐったい、彼女はあっという間に僕の両手を染めてしまい、僕を掴んでいた柔らかい手は離れる。

「じゃ、一旦休憩だね。」

そう言って彼女は蓋を閉じる。

「休憩?まさか二度塗りするつもり?」

『まさか、トップコートもつけるよ。』

「もうこれでいいでしょ…。」

『だーめ、もうちょっと我慢しなさい。』

そう言われた僕は仕方ないな、と言ってそっぽを向き、わざとらしく溜息をつく。そんな僕に、彼女はそんなに嫌?と尋ねる。

「当たり前だよ、何が哀しくてピンクのマニキュア塗られてるのさ。」

『まぁまぁ、いいじゃん、それに綺麗でしょ?』

「…まぁ綺麗だけどさ、ほら、家庭的な感じはしないし。」

『私もマニキュア塗ってるけど?』

「YOUは特別なの!わかる!?」

彼女はその可愛らしい目で僕を見つめる。
すると彼女の顔もみるみるうちに赤くなり、彼女はバッとそっぽを向き、口元を抑えながら呟く。

『なんでそんなこと言うのさ、トド松の馬鹿!…そんなこと言われちゃったらもうずっと離れられないじゃん…。』

赤い顔をさらに赤く染め、言っちゃった、何て言う彼女が可愛らしすぎて、
僕の胸にドクンと響く、顔に熱が集中する。僕は顔を隠そうと顔を押さえようとすれば、その手首を彼女が掴んだ。

『あっ、こら!トド松!駄目だよ。』

「ちょっ、YOU…」

『半乾きだからよれると面倒だし、ピンクがついて汚れちゃうよ。じっとしてなさい!』

「えぇ…、もう僕、部屋に戻る!」

『こーら!駄目だって』

強引に腕を引っ張られ、彼女の方に腕が寄る、僕が視線を彷徨わせてると、彼女は、フッと指先に息をかける。

「んっ…ふぁ…!」

意味の無い言葉が漏れ、背筋がゾクゾクする。彼女が僕を見つめる頃には、僕の顔は真っ赤だ。

『うわぁ!トド松顔真っ赤!どうしたの?』

「自覚無いの!?馬鹿なの!?むしろ襲って欲しいの!?」

『えぇ!?何で!?意味わかんないんだけど!』

「この…天然たらしがぁっ!!」

『何で!?えぇ!?』

もう降参、とトド松はゆっくりと視線を爪に戻す。

オペラモーヴ色のマニキュアは、まだ乾きそうにない。

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作者名:ハムスターさん。 | 作成日時:2016年8月3日 16時

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