審問記録【マティソン・ニューマン】

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【募集企画】の派生作品テンプレートです。コーディリア・ケイラーにより行われる聖職者へのカウンセリングという形式で行われる質問集です。

タイトルの【キャラ名】にキャラクターの名前を書き込んでください。またこの質問集は聖職者限定となっております。

この質問集への回答によって本編でのあれこれが変わったり変わらなかったりします。参加者様以外の使用はご遠慮ください。

「こんにちは、今日は突然ごめんなさいね。抜き打ちでやる事になっちゃって」

「いやいや、この程度のことは構わないよ。なにせ急に予定が入るのには慣れているからね」

「あなたも知っているだろうけど、カウンセリングは聖職者としての資質を見るためのもの……だからなるべくあなたの本質を見る必要がある。この薬を飲んでちょうだい。ある種の自白剤のようなものよ。安心なさい、効果は一時的なものだから」
(あなたに一粒の錠剤が手渡される)

「薬か……コーディリアさんのくれるものなら、問題はないかな。(ボディの中にしまわれた)」

「この薬である程度あなたの本心が分かるようになる。ある程度しか効果がないから頑張れば隠せるんだけどね」

「それはつまり私の精神だとかを試す気でいるのかい？私は体も固ければ口も硬いぞ！」

「カウンセリングとは言っても難しく考える必要はないわ。質問に答えてくれるだけで良い。もちろん無回答という回答もオーケーよ」

「なるほど。思うままに答えてくれということか。自白剤の影響で普段口にしないようなことも口走ってしまいそうで少し怖いね」

「まあどんな回答であろうと私は最後までカウンセリングを続けさせてもらうわ。仕事だからね」

「そうだね。私も早く自分の仕事に戻らないといけないし」

「それじゃあカウンセリングを開始するわ」

「ああ、よろしく」

「あなたの所属する部隊は？」

「デール部隊。その中でも私だけが隊長だね」

「あなたが聖職者になろうと思った理由を教えてちょうだい」

「端的に言えば憧れ、だね。元々身内に聖職者が多かったのもあるけれど……魔女の襲来に際し身を挺して我々を守ってくれた彼らの勇敢さに憧れたんだ」

「部隊に所属された時の第一印象を教えてくれる？」

「皆新人の私に優しくしてくれるいい人たちばかりで……魔女がいた頃の鬼気迫るさまを予想していたら自分としては拍子抜けしたところもあったけれど、今思えば平和である証拠だね」

「あなたが今の光輪教に抱いているイメージを教えてちょうだい。教義、方針、教会……どんなものでも構わないわ」

「そうだね……そもそも光輪教は私の人生の指針、私という人間の構成要素としてなくてはならないモノだ。社会の常識の一つであり、疑いようもないもの、といった感じかな」

「今所属している部隊で何か不満はない？人間関係とか、あるいは訓練が厳しすぎるとか」

「不満らしい不満というのはないけれど、一つ言うなら皆自主性があるのは良いけれど有り余りすぎて変なことをしでかす子たちがいるのはちょっとね……隊長たる私がどうにかすべきところだけれど、少々手を焼いているよ」

「今困っている事があるか教えて。あるならそれがどんな事なのかも詳しく説明してちょうだい」

「さっき言ったように、少し隊員のことで扱いに困っていてね。私がいなくても大丈夫だと皆は言っていたけれど、今も心配なんだ」

「悪魔の事をどう思う？」

「我が国の民に仇成す悪しき存在、我々が討伐すべき対象。それ以外の何者でもないよ」

「魔女については？」

「彼女も元は我々と同じ存在だと聞いているけれど……今の私と彼女とに一体どんな違いがあるのだろうね」

「他の聖職者の印象について教えてちょうだい。全体に対するものでも、特定の誰かの事でも良いわよ」

「うん、皆良い人たちばかりだとも！そんな彼らが悪魔に殺されるやもしれない戦場に身を置くことは心が痛むけれど、それが聖職者の仕事、無辜の民に代わって悪魔討伐をするのが我々の存在意義だからね。私にできることは彼らがなるべく苦しまず、決して悪魔に堕ちることのないよう見守ることだけさ」

「ふぅん。私の事はどう思う？」

「君のことも良き光輪教の聖職者だと思っているよ？急に個人的な質問をしてくるなんて」

「冗談よ。カウンセリングを続けましょうか」

「そんな冗談を言うタイプだとは思っていなかったけれど……どうしたんだい？……まあいいか」

「あなたの性的嗜好について喋れる範囲で喋りなさい。……これも大切な質問内容よ。冗談じゃないから、真面目に答えてほしいわ」

「性的嗜好？とは言われても、私の体は下半身にあるべきものが下半身ごと無くなっているからね……特別好きなものといえば、小さい人形だろうか。手で摘んだら潰れてしまいそうなちいさい動物のマスコットを見ているとなんとも言えない感情が湧き上がるんだ」

「あなたの好きなものを教えてくれる？物質的なものでも概念的なものでも構わないわ」

「私は隊員の皆が笑顔でいてくれることが何より好きだとも」

「人間という存在についてどう思う？」

「人間、か。私の仲間には私も含めて人間としての部品が極端に少ない人が多いけれど……私たちも人間であることを神はお許しになるのだろうか？人間であるとは……どういうことだろう？」

「女神については？」

「我々のことをいつでも見守り、時が来れば祝福を与えてくださる偉大な存在だよ。そうだろう？」

「この国の事は愛している？」

「ええ、ええ。もちろん！私はこの国のために生きて死ぬつもりだよ」

「そう……そろそろ少し休みましょう。飲み物を飲んでリラックスすればあなたのより正確な本質について触れられるかもしれないしね」

「おや、私から何を聞き出すつもりなんだい？面白い話なんて出てこないよ？」

「休憩時間は十五分。五分前には席についていて」

「そういうのは10分休憩として計上できないものかね…」

「飲み物は私が用意してあげるわ。何が飲みたい？」

「では機械油……じゃなくて抹茶ラテで」

「……これで良い？」
(あなたが希望していた飲み物が運ばれてきた)

「ああ、ありがとう。それにしても抹茶とは面白い存在だと思わないかい？」

「飲み終えてちょっとしたら再開しましょうか」

「そうだね。あちち……」

(十分が過ぎた)

「五分前だけど早く始めましょう」

「せっかちだなぁ。もう少しゆっくりしてもいいんじゃない？」

「……。これからあなたの過去について質問するわよ。もちろん教会はあなたの過去を知ってはいるけど、あなたの視点で語られる事にこそ価値があるからね」

「はあ、君がそういうならそうなのだろうけれど……」

「あなたに家族はいた？いたのならどんな存在だった？」

「両親と、兄弟がひとり、それから仲のいい従兄弟に……家族には聖職者が多かったね」

「聖職者になる前に仲の良い友達とかはいた？」

「これでも昔は交友関係が広かったんだよ？よく大勢で集まって勉強会やらサイクリングやらしていたなぁ……」

「今後悔している事はある？」

「後悔？そんなものがあるだろうか！全ては女神様の思し召し、神は超えられる試練しか課さないのだから。私はこの人生に不服も後悔もないよ」

「……そろそろかしら」
(あなたの目の前が霞む。思考が明らかに靄がかって、意識が朦朧としてくる。身体はほとんど動かない)

「……コーディリアさん……私に何をしたんです？」

「薬が効いてきたわね。さっき盛らせてもらったわ。次に起きた頃にはあなたはこの尋問の記憶をなくしている。あなたはただ、日頃の疲れでここでうっかり眠っていただけ……」

「そう、ですか。ならばきっとあなたも私の夢の産物なのでしょう」

「さて、これが最後の質問。神の元に人がいるのか、人の元に神がいるのか、どちらだと思う？」

「……神はどこにもいない。神がいるのならば私はとうの昔に救われていなければ、おかしいじゃあないですか」

「……そう。じゃあおやすみなさい。あなたに光輪の加護があらん事を」

(あなたはやがて意識を手放す。目が覚めるとそこは教会の使われていない空き部屋だった。どうやら疲れて眠っていたらしい。あなたは何も思い出せないまま部屋を立ち去った)

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