【刀剣乱舞】最後の日、きみと

5種類の結果パターン

ありがとう - 2024年5月13日

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「最後か」


ふっと立ち上がり、ドアを開ける。

仕事に私情を持ってくるのもどうかと思うが、どうしても最後は彼が良かったのだ。


「ごめん、待たせちゃった？……加州」

「遅いよ、主」


むくりと頬を膨らませている加州が座っていた。


「今まで、ありがとう」


言いたい言葉はたくさんあったのに、結局それしか出てこなかった。


「こちらこそ、ありがと」

「加州がいたから私は今まここにいると思う」


どんなに辛いことがあっても、歩いてこれたのは初期刀である彼のおかげだ。

彼がいなかったら乗り越えられなかったこともたくさんある。


「じゃあ、刀解を始めます」


彼は頷くとこちらを真っ直ぐに見てきた。


「……主は俺のことどう思ってる？」


「のこと？」


もしかしたら、これが最後のチャンスかもしれない。

私は、口を開いた。


「最高の相棒。

ずっと好きだったけど、中々言い出せなかった私に気付かなかった鈍感で、かっこよくて、可愛くて、大好きな人」

「……」


彼は目を丸くしたまま固まっていた。

思わず人に疑問符を付けてしまったが、別にいいだろう。


「……なんだ俺愛されてたじゃん」


彼は笑ってそう言った。
外から桜が舞い込んでくる。


「最初に俺言ったじゃん。主が愛してくれた分俺も主のこと愛すって」

「……」

「正直、もしかして俺愛されてないんじゃないかって不安になることが何回もあった。

俺が主のこと愛してるだけなんじゃないかって

だけど、そんな心配することなかったね」


消えかけて透明になった彼の手を握りながら私は言った。


「愛してるよ」

……と。

そして、涙を拭った。


「俺も愛してる。だから、また逢えたらさ



俺のこと愛してね」


彼は消える間地か私に向かって、暖かな笑みを浮かべてそう言った。

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