3月の暖かい空の下で、【stxxx】

6種類の結果パターン

君に、伝えることがあるんだ。 - 2024年5月11日

・さとみ・



【先生】



・



ようやく、先生の生徒を卒業できたんだ。



今日こそは、先生に伝えるんだ。



『さとみ先生、桜の木の下で待っててください』



さ「ん、わかった」



少し気だるげに答える先生は、きっと慣れてんだろうな、こういうの。



.。o○.。o○.。o○



なんやかんや、木の下に着く。



さ「遅いぞ、YOU」



『先生が早すぎるんですよ』



さ「はいはい。んで、どうした？急に呼び出して」



あ、そうだ…



…やっぱ、緊張するな。



…でも、言わなきゃ。



高校生活三年間、ずっと秘めてきた想いを。



さとみ先生の藍色の瞳を、真っ直ぐ見つめる。



すぅっと、息を吸い込んだ。



『私、さとみ先生のことが好きです



声が綺麗なところ



授業がわかりやすいところ



生徒と仲良しなところ



笑い声がなんかちょっとおかしいところ



いつもだるそうなところ



他にもまだまだありますけど、長くなりそうなのでカットします



入学式のときからの一目惚れです



三年間、卒業式を待ち続けて



ようやく想いを伝えることができました



…もしよろしければ、私とお付き合いしてくれませんか？』



…言えた。



絶対、私の顔真っ赤だ。



十秒ほど沈黙が続く。



そっと目を開けたら、珍しく頬を赤く染めたさとみ先生がいた。



さ「…俺な、」



『…はい』



さ「YOUのこと、好きだよ」



『えっ…！？』



さ「先生と生徒の恋なんて



世間は認めてくれないし



激しく非難する



傷つくのは子供で、責任を取るのは大人



俺達はそういう立場でそういう関係なんだって、ずっと自分の心に嘘吐いてた



でもな



今なら自分の心に正直になれる



今日でお前は俺の生徒じゃなくなったから



年の差は…ちょっとあるけど



俺の恋人になってくれませんか？」



じんわりと目の奥が熱くなる。



『…はいっ！』



無我夢中で先生の胸に飛び込む。



さ「おま、泣いてんじゃねーかよ…」



『…だって、先生の彼女になれるのが嬉しいんですもん』



さ「彼女なら、先生呼びと敬語やめろ。……なぁ、キス…していいか？」



『…はi…んっん、うん』



さ「そっか、じゃあ遠慮なく」



『んっ…』



キスする私達の横顔は、ふわりと舞った桜の花びらで隠された。

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