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【歌い手】シェアハウスでの日常。season4の短編日替わりということで、3月に書き始めたこれですが。

正直言うと更新さぼってましたごめんなさい。

でも、時間をかけたぶん、けっこう頑張ったのでそこはご愛嬌!

駄作加減もご愛嬌!

いつもありがとうございます。

楽しんでいってくだされば幸いです。


※本編の進行・展開とは一切関係ありません。「もしも」という視点でお楽しみください!

〜〜リスト〜〜
●通常
・そらる
・赤飯
・天月
・しゃむおん
・灯油
・まふまふ
・スズム
●スペシャル
・しゃむおん&天月
…and more…!?

14種類の結果パターン

YOU―…非日常も、よくない? - 2024年5月3日

*アンダーバー&ナノ*

「こっちが英国風スコーンで、そっちがアメリカンクッキー。そこのベルギーのチョコレートに、フランスのマカロンもあるよ。紅茶はスリランカから取り寄せたの!」
『わぁ…!すごい!』
「ナノさんのお茶、世界一〜!」

テーブルの上に広げられた数々の甘い物たち。
それをスラスラというナノさんに拍手を浴びせつつ、私は目を輝かせる。

シェアハウスのダイニングテーブルは、お茶の席にはや代わり。

アンさんは優雅に紅茶を一口飲むと。

「ん、おいし」

そう、満足げに微笑んだ。

大学前ですれ違ったナノさんが、「ちょうどよかった!」とおやつを持ってシェアハウスに来てくれた。
それに、ちょうどよくアンさんも帰宅し。

じゃあ3人でお茶しようか、という流れになったのである。

ナノさんの持ってきたお菓子は、とてもお洒落で素敵なものばかりだった。
…全種類食べたいけど、太っちゃうかなぁ。
夕飯も少なくしたらいけないし。

…ああっ、でも食べたい!

そんな心の中の葛藤を察してか、アンさんが微笑んで。

「大丈夫。灯油、夕飯残すと叱るけど、“ナノさんのお菓子が”って言ったらしぶしぶ許してくれるんだよね〜」

と。
うれしそうにクッキーをほおばるアンさんにつられて、私も。
ものすごく、迷いに迷ってチョコレートを口に放り込む。
…あ、

『…美味しい!』
「でしょっ」

パッとうれしそうに顔を輝かせるナノさん。

――…すると、アンさんがおもむろに近づいてきた。

『…?何ですか、アンさっ…!』

…心臓が、跳ね上がった。
それもそのはずだ。

ぺろり、唇の端を舐められるなんて誰が予想するだろう。

ナノさんも、目を見開いて固まっている。
アンさんは色っぽく自身の唇を舐め、かわいらしく小首を傾げて。

「チョコ。ついてたよ?」

なんて。
赤くなる顔。

――…間髪おかずに、ナノさんが不満げな表情で。

「ナノのお菓子なのに…」

そして、私の手をとって――――…









―――――――…ちゅ。

さらに予想だにしない出来事に、大きく傾く頭。
ナノさんは、私を見つめて。

「…ナノのこともかまってよ、YOU」

しかし、ふざけた様に、けれどしっかりと私を引き寄せるアンさんの腕が彼に魅入ることを許さない。

「こればっかは―…いくらナノさんでも、譲れないかな?」

――…彼らのどちらかを、選ぶなんて。

チョコレートひとつでも迷ってしまう私には困難すぎることを、悟り始めていた。

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作者名:さやえんどう | 作者ホームページ:http  
作成日時:2013年3月3日 12時

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