【おそ松さん】六つ子に恋して

9種類の結果パターン

本日の松は... - 2024年5月6日

今日、貴女と恋するのは...

【先生なカラ松】です。

￣￣￣

放課後、廊下を歩いていると空き教室に見慣れた背中が見えて足を止める。

「何してるんですか？カラ松先生。」

私が声を掛けるとカラ松先生は、あぁ。と私の苗字を呼ぶ。

「懐かしい台本を見つけてな。」

そう言う先生に近付くと先生の手には古びた紙の束が。

「…ロミオとジュリエット？」

私が大きく書かれたタイトルを読み上げると先生はとても優しい表情でその文字を指でなぞる。

「俺の高校時代もやったんだよ。」

「先生がロミオ役ですか？」

私が聞くとカラ松先生は私に視線を向けて私の髪をぐしゃぐしゃと撫でる。

「似合わないとでも言いたそうな顔だな？」

「違いますよ、やめて下さい。」

笑いながら先生の手を避けると、悪い悪いと乱れた髪を整えてくれる。

その手が妙に優しくてくすぐったい。

「先生のロミオ、カッコイイんでしょうね。何か台詞言って下さいよ。」

私が言うと先生は少し考える様にしてから、わかった。と答え私の手を取り跪く。

「私は船乗りじゃないけれど、
たとえあなたが最果ての海の彼方の岸辺にいても、
これほどの宝物、手に入れるためなら
危険を冒しても海に出ます。」

演技だと分かっていてもドキドキしてしまう。

そして演技だと分かっているからこそ胸が締め付けられる様に痛い。

「どうだ？決まっただろ。」

立ち上がりキメ顔をする先生はやっぱりいつも通りで、残念だな〜、と私が漏らすとあからさまに落ち込む先生。

…ごめんなさい、こんな事したら先生の立場がないのは分かっているのに。

そう思いながらも私の手は先生へと伸びていて。

先生の服を掴む事しか出来なかった私の臆病な手は少し震えていた。

「どうした？」

先生が心配そうに尋ねる。

「…いえ、先生のロミオがカッコ良くてちょっとクラッとしただけです。」

あぁ、カラ松先生。貴方はどうして『先生』なんですか？

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