【ハイキュー!!】サービスエース！！

12種類の結果パターン

サーブを打つ瞬間は、主役だから！ - 2024年5月3日

＊黒尾鉄朗＊

「あー…YOU、今日両親いねえから、さ。
…することするために家来ねえか」

放課後。
デートの最中、そう言った黒尾に、私は思いっきり首を振った。

『は…！？絶対嫌！』
「は！？」


目を見開く黒尾。
私は顔を引きつらせながら言う。


『下心が言葉の裏に見え隠れどころか丸見えなんだけど！』
「しょうがねえじゃん男子高校生だぞ！」
『せめて隠す努力をしろ！何よ“することするために”って！』


様々な音が乱舞するゲームセンターなのをいいことに、段々ヒートアップしていく言い合い。
人目を気にしたのであろう黒尾が、「ちょっと落ち着こう」というジェスチャーをして、私たちは一度深呼吸。

そして、静かに私は口を開く。

『…あの、ひとつ質問いいですか』
「何でしょう」
『…家に行って、何もしないでDVDだけ見て帰るっていう選択肢はアリですか』


黒尾は、ちょっと考えて。

「…別にYOUは何もしないでいいけど、俺が何もしないって保障はしねえぞ？」
『その保障が欲しいんだよ気づけバカ！』

そういうことを真面目ないい声で言うな。
私は嘆息して、こめかみを押さえる。

『えーっと…答えはノーです』

沈黙。
そっと視線をあげると、黒い笑顔を浮かべた黒尾。

ひ、ひぃ…！

「あ？イエスしか聞こえねえな。ほら家行くぞ」

がしっと肩を抱き寄せられて、思いっきり肩をはねさせる。
慌てて身をよじる。

『う、ウェイト！待って！プリーズ！うぇいと！』
「何？ウェイ？」
『そういうノリ的なやつじゃなくてね…！？』

あまりの理解力の無さに唖然とする。
すると、黒尾が急に笑い出した。

そして、笑いすぎて涙がにじんだ目尻をぬぐって。


「あー、悪ィ冗談だ。ほんっと面白いよなお前」
『からかったの…！？』
「あまりに彼女が可愛すぎて」
『っ…』

そんなこと言われたら、返す言葉なんか見つからないじゃないか。
黙り込んだ私を見て、黒尾はまたふきだした。

ずっと笑われているのも癪だから、私も黒尾を黙らせる一言、なんてものを考えてみる。

『…別に、黒尾だったらよかったけど？』
「…え、それマジ？」
『…ちょ、黒尾、目が本気、』


((冗談だって言ってるでしょ！))



「明日こそは親いないんだけど」
『しつこい！』


でも、本気で誘われたら断れないかもなんて。


それくらい君が好きだって、言わなくても気づいてよね。

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