何故か同姓同名の人が複数居るんですけど

22種類の結果パターン

ややこしいったらありゃしない…… - 2024年5月11日

●綾辻行人(文スト)とルイス・キャロル(文アル)



「YOU、遊びに来たぞ」
「帰れ」


私の従兄である綾辻行人という人物は、親戚の中では私の事を一番気に入っており、気が付けば遊びに来たと云いながらずっと横に鎮座している。
殺人探偵なんて呼ばれている、物騒な人なんて要らないのが本音である。


「あれ？YOUさん……お隣の人は？」
「此奴は私の従兄です」
「誰だこの男は」
「友達だけど……アンタ何時まで此処に居るの？」


明らかに敵意を剥き出しにして、ルイス・キャロルを見る。確かに彼は、明るい金髪に金色と青色の瞳を持つ好青年な風貌である。私はその姿に惹かれて話し掛けた。それで今は友人の関係になっているが、そこから彼は大分不思議な人であると判った。


「……あ、僕はルイス・キャロルです。彼女とはお友達です」
「そうか」
「彼は綾辻行人です」
「綾辻さんですね」


ルイスさんは薄っすらと微笑みを作ったが、綾辻はムッとした表情のままである。彼は何も悪い事はしていないのだが。


「……俺の従妹に何もしていないよな」
「お話と言葉遊びとパズルと謎解きと……僕の好きな遊びに嫌な顔をせずに、付き合ってくれるんです」
「ルイスさんの言葉選びは巧みで面白いんだよね」
「ほう」


面白く無さそうにキセルを吸い出す綾辻。私が厭がるキセルは、伴に居る時には吸わなかったのに何でまた急に吸い出すんだ。そう思っていると、キセルを吸い込んだ際に口に入り込む煙を、いきなり顔に吹きかけてきた。


「……」
「ば、莫迦！いきなり何するのっ！？」


急にされた事に驚きつつも、煙が眼に染みて涙が流れる。ルイスさんはそんな従兄妹たちの急な行為を、目を丸くして見ている。


「YOUさん……？大丈夫ですか？」
「大丈夫だけど、彼奴を殴りたい気分ですね」
「暴力的な女は嫌われるぞ」
「誰の所為だっ！！」


綾辻の背中を思い切り叩く。こうでもしないと気が済まない。
そんな私たちを遠くから眺めてるルイスさんは、「お兄さんが、随分と熱意がありますね」と苦笑いをしていた。何に対しての熱意だと思っていたが、綾辻は目線を反らした。


「僕も頑張らないといけませんね」
「はっ、何を云うんだ君は」


鼻で笑って莫迦にした様な笑い方は、挑発にしか見えない。
初対面に対して何しているんですかね。

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