貴方に贈る、＿の言葉。【刀剣乱舞】

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貴方に、何の言葉を贈ろうか - 2024年5月13日

＿鶴丸国永


誰かに驚きを与えに行こうかなどと思いながら歩いていると、ちょうど目の前に主がいた。

そぉっと後ろから近寄って、

「わっ!!」
「ひっ!?」

と驚かす。

振り返ってきた主が睨んできたので、すまんすまんと謝る。

「やめてくださいよ…心臓に悪いです。驚きで死にますよ。」
「そいつこそ驚きだ。」
「…はぁ。」

頭を抱える主に、俺はそういやと声をかける。

「なんですか。」
「見てくれ、今日は夕日が綺麗だろう。」
「…ええ。鶴丸の驚きがなければもっと素直に綺麗だと言えたでしょう。」
「君はなかなかにひどいな!?」

冗談です、と言いながら歩きだす主。

…どうやら、伝わりはしなかったみたいだな
これで伝わっていたら、驚きがあったんだが＿

「あ、鶴丸。」
「どうした?」

不意に振り返って、俺の方を微笑みながら見て、

「こんなに夕日が綺麗なら、きっと今夜の月は綺麗ですね。」
「確かにそうだな。今夜は月が綺麗…ん?」

君の方を二度見すれば、先ほどとは違い悪戯っぽく微笑んでいる君。
そして、

「驚いたでしょう?お返しです」
「…ああ、こりゃ驚きだ」

そういうが、心の中では先ほどの驚きより残念な気持ちの方があった。
唯の、お返しか。なかなかやってくれる。

くるりと前に向き直して、歩き出した君は、

「…お返しとは言いましたが、嘘とも冗談とも一言も言ってませんよ」

そういって、部屋に入ってしまった。
少しの間、その言葉の意味が分からなかったが、

「…君にはいつも、驚かせられるなぁ」

口元を手で覆いながら、そんなことを呟く。
今の俺の顔は、誰か他の奴が見たら驚くほど赤くなってることだろう。



＿＿＿

「わっ!どうだ、驚いたか?
　なんだ、驚かなかったのか……
　あれは驚いたぞ、今度はそれを上回る驚きを君に贈ろう!

　いつか、必ず」

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