※本人様とは関係有りません。※リクエスト募集中。
▷さくらです。
歌い手の類には手を出さないと誓った数ヶ月前。
我慢できず作ってしまいました。
日替わりで楽しめます。
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【歌い手】空恋。【そらる】
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今 日 の く だ も の - 2024年4月26日
ぶ ど う . そ ら る
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頭がくらくらする。
顔が熱い。
なにもかも上手くいかなくて、忘れたくてお酒を飲んだら飲みすぎた。
小洒落たバーにいるため、ここで倒れたりしたら恥ずかしい。
余裕を取り戻してタクシーまで頑張らないと。
なんて思うけどうまく力がはいらない。
「結構酔ってるね」
「……え?」
カウンター席の隣の席の男性が話しかけてきた。
酔ってて視界がぼやけてるせいか、顔がよく見えない。
だけど、雰囲気から感じ取れる大人っぽさ。
「そのままじゃ帰れないでしょ。タクシー乗るまで付いていってあげようか?」
……男の人が言ってることは信用ならない。
だけどなにを期待しているのか、こくんと頷いてしまった。
お酒って恐ろしい。
期待してたけど、あっさりタクシーを乗るところでさようなら。
ぼーっとした頭でも、ガッカリしたのは覚えている。
次の日。
私は昨日の彼を見つけるべく、同じバーに訪れた。
彼らしき人を見つけ、隣に座る。
正直昨日の酔いがまだ残ってて気持ち悪いから今日はお酒は飲まない。
代わりに、彼に飲ませる。
「昨日はありがとうございました」
私がそう言うと彼はこちらに気付き、「ちゃんと帰れたっぽくてよかった」と言った。
なんとか会話を繋げ、彼にさり気なくワインを飲ませ続けた。
私たちのあいだにふわりと赤ワインの香りが漂う。
「……っやばい酔ったかも」
片手でおでこをおさえる彼。
白い肌がほんのり赤らんでいるのがわかった。
よし来た。
これなら行ける。
「結構飲んだもんね。タクシー乗るまで送ってこうか?」
私が声をかけると、彼は頷いた。
バーを出てふらふらと歩く彼を支えながらタクシーが捕まる道まで歩く。
「あのさ……なにかお礼がしたいから俺ん家寄ってかない?」
タクシーを待つ間、彼が私に問いかける。
完全にこっちが貰った。
「じゃあ、お願いしようかな」と、言ったところで丁度来たタクシーが私たちの前で止まった。
彼と一緒にタクシーに乗る。
静かな車内で、隣に座る彼の乱れた呼吸がやけに大きく聞こえた。
大丈夫かな、と彼の顔を覗き込むと、私の視線に気付いた彼もこちらを見る。
……目が合った。
ゆっくり彼の顔が近付いてくる。
ふわっと香る赤ワインの香りに、私は目を閉じた。
続きは彼の家で。
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紫 色 の ぶ ど う 。
ひ と 粒 ひ と 粒
ち ゃ ん と 味 わ っ て 食 べ て ね 。
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作者名：さくら | 作成日時：2017年2月19日 3時
