恋 愛 偏 差 値 .1【東大王】【QuizKnock】日替わり

15種類の結果パターン

この物語はフィクションです。。 - 2024年5月12日

【 山本祥彰 】

▷ 恋 愛 現 象 .


「梅雨入りだ」

「梅雨入りですね」


なんて気の抜けた会話をオフィスで佇む私と山本くん。

窓を二人で見ながらも降り続く雨。

それを横目に、隣にいる山本くんをちらりと見る。


「今日はずっと雨らしいですよ」

「そうなんだ〜」


なんて話をする今の雰囲気、もしかして良い感じなのかな？


でも色々彼の気を引くために頑張ってるのになあ

髪型変えたり 香水ちょっと付けてみたりとか


すると、


「……YOU先輩、最近香水とかつけてます？」


急にこんなことを山本くんが訊いてきた。


え……き、気づいてる！？

ほんとに！？


い、いやYOU落ち着け平常心だ平常心。


「え？ なんで？ なんか変な匂いする？」


「いや……そうじゃなくて」


もごもごと何か言いたそうに俯く。


すると、視線が重なる。


「最近、なにかあったのかなあって……」


「な、なにもないよ」


恥ずかしくて視線を逸らしてしまう。


こういうところが大人げない。



「……好きな人が……できた、とか？」



なんて言って私の顔を覗いてくる。


その仕草にも胸が高鳴ってしまう。



「……ん、なんで？」


落ち着け、平常心。



「ずっと前から気になってたんですよね」


「……何を？」



「YOU先輩が綺麗になってくの」



「……っえ……？」



「きっと誰かの為にやってるんだろうなって思うと苦しくて」



「……そ、それは」



あなたの為に。


あなたの為に、全部……。


気づいて欲しくて。



「なんでそんなに綺麗になるんですか」



心臓がバクバク鳴ってうるさい。


これじゃ聞こえてしまう。



「……他の男の為に綺麗になってくの許せない」(ﾎﾞｿｯ



ん？ 今山本くんなんて言った？



すると彼は私の腕をぐいっと掴んで



「……誰の為に、ですか？」



って真剣な目で訊いてくる。



どうしよう


目が、離せない―――





「や、山本くんの……為……で……す」





口は正直に勝手に動いていた。



「え……？ 僕……？ え？」



おそるおそる彼の瞳を見ると―――



真っ赤な顔をしながら



「やっば。めちゃくちゃ嬉しい……」



なんて囁くから



「ばかやろう」って私が言い返すよりも先に





「YOU先輩。僕、ずっと前から貴方のことを―――」





その言葉ひとつひとつが耳に触れたとき






空には雨ではなく、虹が二人を照らしていた―――。

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