【刀剣乱舞】刀剣男士に愛されて

12種類の結果パターン

今日は彼に愛されるようです！ - 2024年5月14日

｢…YOU、｣

眠たげで瞳が蕩けたYOU。

｢切国ぃ…？
…んふっ、美味しかったぁ、あの水｣

｢…水？｣

ふわりと長い黒髪が揺れ、甘い香りが部屋に充(み)ちる。

｢主、何処ー？｣

どすどすと盛大な足音を立てる次郎太刀が、酒瓶を手に歩いてくる。

｢…水、ねぇ…｣

何となく主がこうなった理由が解った。

｢…隠れろ、主｣

｢んー…うん、解ったぁ｣

不意に主に抱き着かれ、俺はビクッと体を震わせる。

｢な…っ、何して…っ?!｣

布の中で主の髪の香りが弾ける。

不意にずいっ、と次郎太刀が部屋に首を突っ込んでき
た。

…もう逃れられない。

｢…写しの俺に、聞くな。
解る筈が無い｣

｢アンタ、その卑下する癖止めな｣

…野太い声で言うな、頼むから。

そう思いつつ腕の中の存在を気取られないように適当にあしらった次郎太刀が去った後。

｢…で、あんたは何で…｣

｢切国が、あったかいから｣

…先程から感じていた違和感の正体。

｢…熱でもあるか、主｣

襤褸布の中に手を突っ込み、俺の胸に頭を預けた主の頬に触れる。

｢…熱いな…。
待ってろ、布団を敷く｣

そう言って主の体を離そうにも、主が離れない。

｢…や、｣

…結論、世話好きな燭台切を捕まえる為に俺は主を横抱きにして部屋から出た。

道中擦れ違う奴等の目が真ん丸なのは、見ない振り。

｢…燭台切、布団を敷いてくれ｣

｢はいはい、…って、え…っ?!｣

流石の燭台切も暫くは動転していた。



用意を終えた燭台切が去った後。

｢…主、｣

今に消えそうな程白い肌に触れ、濡れた布巾を頬に滑らせる。

｢ん…、…切、国…｣

何処か散り際の桜のような儚い瞳が、ゆっくりと瞬く。

｢…主、眠れ｣

｢…切国、来て…？｣

弱り甘えた声音に、俺の理性が揺らぐ。

意志とは倒(さかしま)に、身体はゆっくりと膝で主の傍に躙り寄る。

ずきずきと痛い程脈打つ心臓に吐息を漏らす。

｢…喉渇いた、｣

不意に主はそう呟く。

黙っていなければ聴き逃す位、小さな声で。

湯呑に水を入れて差し出すが、主は動けないらしい。

霞む瞳を見下ろし、俺は湯呑に口を付け無言でその唇を奪う。

｢ん…、…ふ…｣

口に含んだ水をゆっくり流し込む。

唇を重ねた事は、きっと主は覚えていないだろう。

…少しだけ、忘れて欲しくない気もした。

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