ヒプノシスデート

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Let’s hypnosis life! - 2024年5月13日

山田三郎 【図書館デート】


(ま、まずい)


来週、私の通うイケブクロ中学校では定期テストが予定されている。

しかし、最近塾で行ったテストの点が余りにも悪い。

受験も控えているのに…
でもまあ、二郎君も高校入れてるし大丈夫かな。

それを眺めながら、どうしたものかと溜息を吐いていると後ろの席の幼馴染みが

「はあ、そんな点数を取るなんて二郎かよ。これだから低脳は」

と嘲笑しながら声をかけてきた。


言い返したいが言い返せない。
性格が悪いくせに、こいつは秀才なのだ。

しかしこいつには弱点がある。


「そんな事言ってたら一郎君に言いつけるよ」

「はっ？ふざけるな」

「じゃあ言わないであげるから勉強教えて」

「はあ！？何でこの僕がYOUなんかに勉強教えなきゃいけないんだよ」


という会話から1日挟んで日曜日。

『日曜イケブクロ図書館で2時』

と金曜、帰りの会後に言い捨てられたのだ。

その時心なしか顔が赤かった。風邪？


案外あいつもいい奴だなぁ、と考えながらイケブクロ図書館へ向かう。


方向音痴な私でも、ちゃんと余裕を持って10分前に到着する事が出来た。

流石に何度も通るこの道は迷わない。


あ、三郎発見。
向こうも私に気づいた様子だ。

「遅い！もう10分前だぞ」

THE 理不尽！！！



そんなこんなでやっと勉強。
図書館はエアコン効果で過ごしやすい。


「で、何処が分かんないんだよ」

「あ〜いっぱいあるんだけど。こことか」

「ああ、ここは…」


熱心に教えてくれる三郎。

ふと横を見る。
恐るべし山田家。横顔もかっこいい。

「おい！聞いてるのか！？」

「あ、ごめん。見惚れちゃって」

するとポッと三郎の顔が赤に染まった。
やっぱり風邪ひいてるのかも。

「顔赤いよ？風邪ひいてるのかも…家帰った方が…」

「あ、ああ。そうさせてもらう(これだから鈍感は…)」


風邪気味なのに呼び出して申し訳ないことをしてしまったな…

はぁ、と溜息を吐いて帰る支度をする。
三郎が帰るのなら私も帰りたい。


(って！三郎がいないと嫌みたいじゃない！あんな奴嫌いだもん…)



ちなみに定期テストは撃沈した。

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