Do you like rapper's voice？【ヒプマイ】

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たまには、変わったひと時を… - 2024年5月13日

Today is Jiro's voice...





Buster Bros!!!結成から、約1年が経った。
そして今日は、俺の学校の卒業式。

頭の悪い俺が無事に卒業出来るのは、アイツのお陰だ。


「卒業生一同、起立」


最後の一礼で、俺の高校生活は幕を閉じた。





「なあ二郎〜俺にボタンくれよ〜！」

「何気持ち悪いこと言ってんだよ。」


将来自慢出来んじゃ〜ん！というので、もう使わないだろうし、手で糸を千切って渡した。

他の奴らにも同様に渡し、サンキュー！と走り去って行った。
思い出を振り返る様に、校舎全体を見渡す。
授業はメンドくせぇし、仲の良い友達なんて殆ど出来なかったけど、そういうのも含めて、今なら何だかんだで楽しかったと思える。


「そういや、アイツ何処行ったんだ？」


校舎前で写真を撮ってたり、抱き合いながら泣いてたり、先生を胴上げしてるクラスメイトは見えるが、何故かアイツだけが見つからないない。

折角だし、教室戻るか…


アイツを探すついでに、教室に戻って思い出に浸ろうと校舎の中へ入る。



教室に入ると、都合よくアイツが居た。
自分の席に座って、窓の方を見ていた。


「何してんだよ、皆下に居るぞ。」

「っ！じ、二郎君…」


びっくりした〜と言うコイツが、謂わば俺の恩人だ。
席が近かったのもあって、勉強を教えてくれたり、委員会とかも一緒にやったり_____。

2年の時から、本当に世話になった。


「3年間、あっという間だったね。」

「ああ…そうだな。」


俺はコイツ相手でも、会話を続かせるのは苦手だ。
何を話したらいいか悩んでいる訳ではなく、今更話すことがなくて困っているのだ。

悩んでいると、俺の方を見て笑い出した。
何が可笑しいんだと聞くと、俺の制服を指差した。

何故か残っている第三ボタン。
真ん中だけが残っていて、可笑しかったらしい。

このまま帰んのはカッコ悪ぃし、コイツには恩がある。
とても恩返しにはならないけど、ボタンを手にしてこう言った。


「カッコ悪ぃから、お前が貰ってくれよ。」


何か照れ臭くなって、つい顔を背けて隠す。
言葉を選ぶべきだったと思った頃には、コイツは俺の手を握ってこう言った。


「Thank you very much. I had a good time thanks to you.」


今の俺になら、充分聞き取れた。
だから俺は、恥を忍んでこう言ってやった。





「Me too. Please get along well from now on.」

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