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今日は何松？ - 2024年5月12日
十四松【黄色いアイツ】
「ふんぬ！ ふんぬ！」
今日も聞こえてきた。
毎日飽きずに良くやるな。
私は毎日朝と夕方は、飼っている犬を連れて家の近くの川辺まで散歩に行く。
そこで毎日バットで、謎の掛け声と共に空振りをしている人がいる。
その人は背番号に１４と書かれた黄色い野球のユニフォームを着ている。
どこかの野球チームに所属しているのか。
バットを振っている彼の目は少年のように輝いていて、本当に野球が好きなんだろうなと分かる。
「あっ！ 犬だ！」
彼の横を通ろうとすると、丁度休憩するつもりだったのかいつもは集中して気付かない私達に興味を示したようだ。
「あははー、可愛いねー。触ってもいい？」
「いいですよ」
最初は様子を伺うようにゆっくりと頭に手を置くと、優しく撫で始めた。
「犬、お好きなんですか？」
「うん！ 犬好き！」
大きな口を開けた笑顔は、なんだか可愛く思えてしまう。
「名前、何ていうの？」
「ハナです」
「そっかー、ハナちゃんかー。じゃあ君の名前は？」
「私？ ……YOUです」
「YOUちゃん！ 僕は十四松！」
十四松さんか。珍しい名前だな。
「ねえ、明日もここに散歩来るの？」
十四松さんは子供のような眼差しで私の目を見つめた。
「毎日通ってますよ」
「ええ！ そうなの！？」
気付かなかったと心底驚いたような顔をしたと思うと、また笑顔になって
「じゃあ明日もまた会えるね！」
と言った。
多分十四松さんのその言葉に深い意味は無いんだろうけど、私は勝手に明日の散歩が少し楽しみになっていた。
2016.07.02
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作者名：きうり x他1人 | 作成日時：2016年7月2日 13時
