【黒バス】愛と狂気の幸せを君に【ヤンデレ日替わり】

21種類の結果パターン

こんな自分でも、きみなら愛してくれるよね？ - 2024年4月27日

《日向順平》

ここは簡素な部屋の、真っ白な椅子の上。

「YOU、ただいま」

日向が帰って来た。私は答えない。

「おう、今日も良い子にしてたんだなぁ、偉いぞ」

日向が愛おしそうに撫でてくれた。私は応えない。

「ああ！お前が食べたいって言ってた駅前のシュークリーム買って来たぞ」

美味しそうだ。私は何も言わない。

「ほら、食わしてやるから口開けて」

私は黙って口を開く。シュークリームを口に含んだ日向が私にそっと口付ける。
甘くて、日向の味がする。嬉しいな。私は言葉を紡がない。





日向とお話しして良いのは、日向の目に映っている私だけなんだって。





「美味しかったか？」

私は無言でにこりと頷く。日向は満足そうだ。良かった。

「今日も可愛い」

バスケットボールばかり掴んできた手が、私の頰をするりと滑る。
温かさに目を細める。日向の表情はどこまでも穏やかで。美しい。





一度だけ、反発した事がある。日向、私喋ってないよ、って。
そうしたら彼はとても怒って、私を動けなくなるまで虐め抜いた。

でもね、日向は怒ると怖いけど、良い子にしていればとても優しいの。
だから私、今日も良い子でいるんです。





日向と目が合った。眼鏡の奥にある瞳____そこに光はない。けれど、

「ああ、『俺も』YOUの事が大好きだよ」

そう言って額にキスを落とす彼の瞳に、私が映っているのならそれで良い。
例えばそれが、ここにいる「私」じゃなくても、「私」が愛されていることには変わりがないもの。

誰が見ている訳でも無いけれど、少しだけ気恥ずかしくて四肢を揺らす。

その度にじゃらりと鳴る音。それは従順の証。
腕も足も心も、君に差し出しますという証明。





微笑む私の双眸にも、もう光なんて無いんだろうな。____そう思ったら、

『愛してるよ、YOU』

音なんて存在しない空間に、そんな声が響いた気がした。





《理想の君は、ただこの瞳の中に》

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