【銀魂日替り】銀ちゃんだらけ。

15種類の結果パターン

銀さんの誕生日なんでェ、祝ってくださ〜い by銀時 - 2024年5月4日

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「ねぇ、人って幸せすぎると死んじゃうらしいよ」

「…突然何いってんの、お前」


今日も今日とて暇をもて余している我らが万事屋。ぐでーっ、とゆったりと流れる時間に身を任せてだらけながら、私はそう口にした。怪訝そうな銀ちゃんの顔がこちらを向く。ソファーに寝転がっていたのを起き上がり、社長椅子に腰かける彼に視線を向ける。


「なんだっけ……幸福過剰摂取とか言ったかな…アレ、違ったかな…」

「うろ覚えかよ」


と、銀ちゃんは間延びした真顔で言う。そういう銀ちゃんだって、物覚え悪いくせに。人の名前すぐ忘れるくせに、と内心で思いながら、私は続ける。


「ヤバくない？なんで幸せ絶頂の中、死ななきゃならないの？」

「いや、ソレ本気で信じてるの？」

「だとしたらの話だよ。もしそうなら、ちょっと悲しくない？」


人生の中で一番幸せだと思える瞬間に、その幸福過剰摂取とかいうのに侵されて死ぬなんて、ちょっと悲劇的だ。幸せなのにその先に死があるなんて、残酷ではなかろうか。私はそんなの、ごめん被る。


「幸せなら、その幸せはきっとずっと続くべきだと思う」

「随分哲学的だな」

「幸せじゃないより、幸せな方がいいに決まってるでしょ」


…そうに決まっている。幸せの先に、確かな、確定した不幸があるのなら。それは結果として不幸なのだ。結末が不幸なら、それはもう不幸でしかない。


…幸せな時間は、ずっと存在していた方がいいに決まってる。


…私は、それを望む。


「私、銀ちゃんと居られて幸せだよ、すごく」

「いきなり何だよ」

「照れんなって」
「腹立つんだけどその言い方」


私は銀ちゃんの傍に歩み寄り、椅子に座ったままの銀ちゃんをギュッと抱きしめる。今この瞬間でさえ、溺れるような幸せを感じている。けれど。


「…私は、ワガママだからさ、」


銀ちゃんが、私の背中に手を回して、抱き締め返してくれる。トクン、トクン、という優しくて、幸せなリズムを、心臓が奏でている。


「死んじゃうくらいの幸せだって、もっとって、欲張っちゃうから」

「ん」

「だから、」


彼を少し見上げて、私は言う。


「…全力で幸せにしてよ、私のこと」


…私と銀ちゃんの左手の薬指には、キラリと輝く指輪。


「…当然だろ」


…君が隣に居るなら、私はずっとずっと、幸せだ。


…死ぬまでずーっと。幸せなのだ。

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