題名なんてないです。【歌い手】

7種類の結果パターン

今日の相手は __ ？？ - 2024年4月26日

夏代孝明 __/ 星降る夜は。



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「夏代、こんな時間にどこいくんですか...。」



深夜１時、足音と廊下の明かりで目が覚めた。


部屋の外に出ると、出掛ける準備万端の彼氏がいて。



__ なんですか、なんですか 浮気ですか





「浮気なんかじゃないでーす。

この前買った望遠鏡使いに行くんですー。」



「…テレパシー？」


「お嬢様、声に出てますわよ。」



「…流星群？」


「そうですだわよ。」




流星群、りゅうせい、ぐん…。



「私も、私も連れてってください。」




星が好きで出会った私達だったから。


夏代が見に行くなら、私も行きたいなって思った。





そう、あれは


もう３年前のこと。



流れ星を追いかけるように走っていた私とぶつかったのが貴方だった。


倒れて起き上がらない私に手を差し伸べて、笑顔で言ったの。




「君も星、すきなの？」


って。

しっかり覚えてますよ。



大切な大切な、思い出の「ひとかけら」ですから。





うれしかったの。


あの時みたいに、手を引いて欲しいの。




望遠鏡を担いで走る、大きな背中を追いたいの。


左手に貴方の温もりを感じながら。




「早く靴お履きになってくださいな、お嬢様。」


「はーい、」



のそのそとスリッパを履いて夏代に着いて外に出る。


夜の空気を胸一杯に吸い込んで歩き出した。





夏代の背中にある新品でピカピカの望遠鏡に手で触れた。



…いいな。





「ん、」


後ろを向いて手を出した夏代。



私はその手を見つめて暫し固まる。





「はよとってや！！」


持て余されたらしい手は無理矢理に私の手を掴んで行った。




「夏代 ” 強引 ” ですね。」





私がそう言うと彼は顔を少し赤らめて、視線を空に漂わせた。



「” 強引 ” っていうのは、こういうのですよ。」




夏代は、私の腕を引いて唇を合わせた。



強いけど、優しい。


そんなキスだった。





如何しても、こんな彼が好きで好きで堪らない。



「すきだよ、」

「俺も。」





私達の頭上を幾つもの流れ星がながれていたことに、まだ気づかない。









【 夏代孝明 】

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